暁 〜小説投稿サイト〜
とある誤解の超能力者(マインドシーカー)
レベル3 おもい を はせる こと は じゆう
第1話 疑問
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らかになれば、マスコミは特にサイキックシティの外のマスコミは、この事実をおもしろそうにかき立てるでしょう。
僕はそれが心配なのです」
牧石は話し終わると、周囲を見渡した。

「繰り返しますが、表彰式には出席します。
ただし、僕の情報については最小限の公表でお願いしたいのです」
牧石は、目黒を含めて全員に頭を下げる。

「いいの牧石君?
公表できないのであれば、成績評価への加点もできなくなるわよ」
「はい、先生。
大丈夫です。
僕にとっても、能力の制御が最優先ですから。制御を失敗して、問題を起こさないことが大事ですから」
「牧石君。
警察は、君の提案を受け入れる用意がある。
当然、長官の判断を受けてからになるが。
それと、裁判では証言に立ってもらうぞ。
それまでには、制御はできるのだな?」
警察の偉い人は、細身にも関わらず静かな太い低音で確認を求めた。

「磯嶋室長から一月程度で問題ない程度に制御できると聞いております」
「それなら問題ない」
警察の偉い人は簡潔に答えた。

「牧石の頼みだ、それにこの件では牧石に助けてもらった。
お礼になるかわからないが、牧石の分まで引き受けよう」
目黒も、牧石の願いを聞き入れた。
そのことで、牧石の提案は受け入れられた。
もっとも、この話の前に、能力開発センターと警察とで事前にやりとりがあって、牧石から提案するように磯嶋から頼まれたことであったのだが。



「とにかく、時間がないから今から私についてきなさい。
以上、解散」
担任は教室を出ていき、目黒はそのあとをあわててついていく。
クラスメイトのうち、男性の殺気は目黒の後頭部に、学級委員長樫倉の視線は牧石へと向けられる。

「牧石君、約束はどうなっているの?」
樫倉は、テレパシーを送信することもできないし、牧石も、相手の心を超能力で読みとることもできない。
それでも牧石は、樫倉の視線の意味を正しく解釈した。

「わかっている、もう少し待ってくれ」
牧石は、あわてて樫倉に視線を送った。
樫倉も正しく牧石のメッセージを受け取ったようで、頬を小さく膨らませて、
「早くしなさいよ」
との、督促を受けた。

「わかっていますよ、委員長殿」
牧石は、委員長に返事を送ると、最近先延ばしにしていた疑問点を整理することにした。

疑問点というのは、牧石がいる世界と牧石の考えている世界との差異についてである。

牧石は、神様を名乗る青年から「とある世界」へ転生させるという内容であった。
ところが、牧石の認識と異なっている事象が存在していた。
これまでは、研究所からの脱出や、編入試験、期末試験等といろいろな事情に追われていた。

それは、それで重要なことではあったが、差異の状況認識と
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