暁 〜小説投稿サイト〜
とある誤解の超能力者(マインドシーカー)
レベル3 おもい を はせる こと は じゆう
第1話 疑問
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れは校内掲示用。
今回は、警察の広報ポスターよ、滝山さんは今回もモデルに選ばれたのは変わらないけど」
と、担任が丁寧に事情を説明し、
「あ〜、思い出してしまった」
目黒は、握った左手を手のひらを出した右手に押し当ててから答えた。

「目黒君、よく忘れられるわね。
警察からの要請を」
担任はため息をついた。



羽来(はねらい)による詐欺事件は、羽来の自供により詳細が明らかになると、サイキックシティのみならず、日本国内のトップニュースで報道された。

詐欺事件自体は、特段目新しいものではない。

注目された理由は、詐欺事件で学生の交付金の債権が事件で使用されたことによる。
学生の交付金の債権市場は、サイキックシティのみならず、日本全体を巻き込んだものになっている。

サイキックシティは、圧倒的な超能力とその力を活用した科学力を背景に、順調に経済成長を続けている。

サイキックシティは、施設建設の為の長期市債を発行しているが、毎年の市にはいる税収で全額返済が可能なほど財政は潤沢であり、市の保障を受けた交付金債権は安心確実な資産運用であった。

今回の事件により、サイキックシティが債権をすべて回収するのではないか、という噂が市場を流れた。

サイキックシティ市長と、サイキックシティ中央銀行総裁の共同会見で「この問題の本質は、詐欺事件からいかに学生の身を守るかという点であり、市場への流通の可否とは別の問題であること」と宣言し、交付金の債権化は引き続き行われることになった。

そして、本質の問題である「詐欺事件からいかに学生の身を守るのか」について、さまざまな対策が次の市議会で提案され、実施されることになっている。


「そのひとつが、俺たちの表彰ということですか?」
事件の翌日、担任から校長室に呼び出しを受けた牧石は、目黒と担任に交互に視線を移し変えながら質問する。
「そのとおりよ。
拒否権はないと考えなさい」
担任は、牧石達に強い視線を向ける。
校長室の応接室には、牧石達と担任の他に校長と警察の偉そうな人がいた。


「そこは、否定しませんが、お願いがあります」
牧石は、担任にお願いする。
「僕のことは、目黒について来ただけで、ほとんど何もしていないという感じでお願いできませんか?」
「どういうことなの?」
担任は牧石に説明を求めた。
担任以外の視線も、すべて牧石に集中した。

「事件の日のことですが、自分が持つ超能力が発動しました。
それ自体は問題ないのですが、今その力が制御できない状態なのです。
指導を受けている、能力開発センターの磯嶋室長の話では、集中的に制御のトレーニングを受ける必要があるそうです。
僕個人の問題なのですが、僕が事件の手伝いに一役買ったことが明
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