暁 〜小説投稿サイト〜
とある誤解の超能力者(マインドシーカー)
第7話 破綻
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超能力開発センターに存在する、とある地下室。
そこは、研究所でも最大の機密施設であり、
その存在を知っているのは、非常に限られており、研究所でも所長と3人の副所長、そして、事務局長だけである。

地下室は、小さな講演会ができるほどの大きさで、室内にはさまざまなモニターや配線が乱雑に存在している。

地下室の入り口らしき扉から現れたのは、スーツ姿の男だった。
男は、ゆっくりと地下室の中央に歩み寄ると、目の前の白衣の男に話しかける。
「あいかわらずの室内だな」
スーツ姿の男は白衣の男に話しかける。

「気に入らなければ来なければいい。
専用回線も存在するのだから」
白衣の男は、どうでも良さそうな表情で答える。

「そういうわけにも行かなくてね。
政治家というのは、いろいろあるのだよ」
「政治には興味がないのでね。
まあ、君には感謝しているよ。
こうやって、好きに研究ができる環境を整えてもらったのだから」
白衣の男は、表情を変えることなく返事する。

「君が本当に感謝しているのなら、私の計画に協力して欲しいのだがね」
スーツ姿の男は、白衣の男に皮肉を込めて頼み込んだ。

「残念だが、研究時間は限られていてね。
申し訳ないが、君の頼みは聞けないね」
「……。君ならそう言うと思った。
では、一つ聞きたい。
あの預言に君は従うのかね」
「ああ、あの預言ね。
従うというよりも、どうあがいても変えることはできないだろう。
君もわかっているのではないか?」
白衣の男は、哀れむ口調で話しかける。

「君はいいのかい、それで」
スーツの男は、白衣の男に質問する。
「君の研究が終わるのではないのかい?」

「研究が終わる。
確かにそうかもしれない」
白衣の男は、笑みを浮かべる。
「人類の最後に立ち会えるという研究を実証できる機会を与えられるという意味では、すばらしいとは思わないかい?」
「お前は、研究に魂を売ったのか!」
スーツの男は怒気を込めて、白衣の男に叫んだ。

「何を今更。
私が研究に魂を売り払うことは、最初の計画に従ったこと。
それを忘れているのでは?」
白衣の男は、笑みを浮かべたまま、
「同じ理屈を通用すれば、君も私と同じと言うことになるのだけどね」
「お前は……」
スーツ姿の男は、両手の拳を強く握りしめたまま、怒りに身を震わせている。
拳から、赤い血が滴っていた。

「やれやれ、それでは明日の公務に支障を来すのではないのかね?」
「よけいなお世話だ」
「そうだね。
まあ、せっかくここまで足を運んでくれたのだ、みやげ話をしてあげよう。
あれらの預言は「決定
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