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とある誤解の超能力者(マインドシーカー)
第3話 勧誘
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めば、早く上昇できるのではないか。
そんな期待を胸に抱いていた。

「牧石君。
がんばるのはいいけど、そんなに簡単にサイレベルはあがらないよ」
樫倉は、いたずらっぽく微笑んだ。
いつも、硬い表情を見せる樫倉が柔らかい表情をみせることで、牧石の心は少し動いた。
「そ、そうなの?」
「いくら成長の早い人でも、レベルがあがるのは半年程度かかるわよ。
編入試験の試験の話覚えている?
超能力の実技試験レベル2以上は免除なんてあるけど、普通に外部から来た人は絶対に試験の免除にはならないわ。
そのような編入生は、予備校から学校に推薦状を出すことでそのまま編入できるから、そもそも編入試験を受けないし」

「そうだったのか……。
僕の勉強の苦労はいったい……」
牧石はめまいを覚えた。
「だから、この学校の編入生にサイレベル2の編入生がいるという噂を誰も信じないって、牧石君もしかして?」
樫倉は、話の途中で牧石の顔の変化に気がついて問いただす。
「僕のことらしいね」
牧石は自分のサイレベルが記載されているサイカードを樫倉に見せた。

「そうだったの。
すごいね、牧石君。
私なんか9年もかかって、ようやくレベル2なのに」
樫倉は、牧石の話を聞いて素直に感心していた。

「運が良かっただけだよ。
研究所の人たちや、目黒たちのおかげだよ」
「そうなんだ。
目黒君と親しく話をしていたから、驚いた。」
「目黒は誰でも、気軽に話をしているだろう?」
牧石は思ったことを口にした。
「目黒君はね、気に入った人じゃないとあそこまで打ち解けないんだよ。
これまでは、福西君と迫川さんだけだったけど」
樫倉は少し、寂しそうな表情をした。


「それよりも、牧石君。
牧石君の才能はすごいんだよ。
自分の力を誇っていいんだよ」
「そういってくれると、もう少しがんばれそうだ。
ありがとう樫倉さん。
いろいろと、親切にしてくれて」
「そ、それは私が委員長だから……」
樫倉は急に顔を赤くして、そわそわし始めた。
牧石は、樫倉が顔を赤くした理由を悟ると、「そうだよな」
とつぶやいた。

「どうしたの?
牧石君」
「ああ、わかっていたよ、はじめから」
牧石は深いため息をついた。
樫倉は牧石に対して質問する。
「何がわかったの?」

「樫倉さんの目黒に対する気持ちがね」



牧石、日々強くなる日差しを手で遮りながら、校舎を背にしながら歩いていた。
途中、廊下に置いてあった段ボールにぶつかってしまい、転んだときに当たった膝が少しいたい。
「……。
予想通りとはいえ、さみしいものだ」
牧石は、膝をさすりながら独り言をつぶやいていると、目の前でたたずむ一人の男が話しかけてきた。

「牧石君だね
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