レベル2 とうし を してみよう
第1話 転入生
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徒の大部分は1−Fの教室に向かっていたため、声をかけられることは無かった。
クラスメイト達が別のクラスに向かった目的は、もちろん、今日から新しく転入した生徒を一目見るためであった。
そのおかげで、目黒と一緒に食堂に向かっても、クラスメイトから何も言われることは無かった。
「というわけで、福西のクラスには、金髪の美少女が」
「滝山マリヤだ」
目黒の説明に、福西が訂正する。
「迫川のクラスには、元アイドルの柏葉和人(かしわば かずと)が」
「本名は伊集院竜斗(いじゅういん りゅうと)よ」
今度は迫川が、目黒の説明を訂正した。
「そして、俺のクラスには我らが英雄、牧石啓也君が」
「誰が英雄だ、誰が!?」
牧石は、目黒に注意を促す。
「何を言っているのだ、牧石君。
二人が転入することを知っていながら、あえて同じ日に転入するなんて、英雄以外の何者でもないよ!」
「すごいね、牧石君!」
目黒は、扇動者になりきって演説をし、迫川は尊敬の眼差しで牧石を見つめながら、いつものように牧石の両手を握りしめる。
迫川の彼氏さんである福西は、三人のやりとりを平然と眺めながら、黙々とA定食を食べていた。
牧石は、授業が終了すると共に、すぐに帰宅した。
クラスメイト達から、部活の勧誘があると思ったが、そんなことは無かった。
「マリヤちゃんは、日本の伝統を知ってもらうために、我が剣道部に」
「それならば、我が柔道部だろう!」
「何を言っている!
マリヤちゃんには、その才能を発揮してもらうために、水泳部に入ってもらうのがジャスティスだろうが!」
牧石が教室の窓際に視線を向けると、クラスメイトの男子達が何か騒いでいるようだ。
帰宅部であるはずの、目黒も参加しているようだが、気のせいだろう。
「竜斗君は、小学校の時にリトルリーグで全国大会に出場したの!
だから、野球部に入って私を甲子園につれていってくれるの!」
「何を言っているの!
超能力者には参加することが出来ないことくらい、マネージャーのくせにどうして知らないの。
だから、竜斗君は我がテニス部が手取り足取り教えてあげるの」
「どうして、そんなことを決めつけるの。
あの体つきを生かすのなら、竜斗君は水泳部一択でしょう!」
牧石が教室の入り口に視線を向けると、女子生徒達が真剣に議論を交わしているようだ。
「さて帰るか」
牧石は、自宅に戻るべく教室をあとにしようとした。
「牧石君」
背後から、女子生徒の声が聞こえた。
振り返ると、背の高いメガネをかけた三つ編みの少女だった。
「たしか、……」
クラス委員長だったと思うが、名前がでてこない。
牧石と目黒が会話しているところを何度か興味深そうに視線を送っていたので、牧
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