暁 〜小説投稿サイト〜
とある誤解の超能力者(マインドシーカー)
第4話 贈り物
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予言か」
「知っているのか、目黒?」

「宇宙の真理を表す言葉らしい。
言葉遊びにも聞こえるが、深遠な意味があると考えられている」
目黒は、黒縁のメガネを右手で上下させながら神妙に答えた。
「ちなみに、なぜ福西が今この場面でその言葉を使用する理由については?」
「福西に直接聞いてくれ」
目黒は視線を福西に向ける。

「……。宇宙の法則が乱れる可能性を指摘した」
目黒と牧石から視線を向けられた福西は、いつもと変わらない調子で答えた。
「代替手段として、受け取ってくれ」
福西は、仕方がないという表情で牧石に小さな紙袋を手渡した。

「……これは?」
「あけてみるといい」
牧石は福西の指摘に従って紙袋を開け、中のものを取り出した。

「お守り?」
「そうだ、これで守ることが出来る」
福西は牧石に説明する。
「確かにお守りは身を守ると言われているが……」
牧石は、超能力と科学が融合するこの都市でお守りという、非科学的なものを目の前に出されたことにも驚いたが、それ以上に気になることがあった。

「なぜ、安産のお守り?」
お守りには「安産祈願」と縫い込まれていた。

「役に立つはずだ」
福西は断言する。
「そ、そうか」
結局、牧石はお守りを受け取ることにした。


「いいなぁ〜。
私も、暁くんのお守り欲しかったな」
牧石と福西とのやりとりが終わったところで、迫川がさみしそうにつぶやいた。

牧石は心の中で、
「安産のお守りが欲しい?
確かに僕が持つよりは、良いかもしれない。
でも、迫川さんが欲しいということは、子どもが欲しいのか?
いや、産むことを考えたら既にお腹の中にいる?!
いや、迫川さんはまだ15歳だぞ。
結婚は出来ないし、その年齢での出産は体への影響が……。
いや、そもそもこの世界では結婚できる年齢はどうなっている?
たとえば、10歳から結婚可能な法律が……」
などと、取り留めもないことをかんがえていると。

「何を言っている?
お守りなどより、俺自身の方が役に立つだろう」
と、福西は優しい声で迫川にささやいた。
牧石は、昼間から何を言っているのだこいつは!という表情をした。

「あのお守りの力は、俺の能力で作ったものだ。
効果は3ヶ月も持たないだろう。
だが、俺がお前のそばにいる限り効果が続く。
どちらが良い?」
「もちろん暁くん!」
「ということだ、またな!」
福西は立ち上がり、食堂から出ようとする。
迫川は、福西の後ろをついてゆく。

「ま、まさか……」
牧石は二人の後ろ姿を眺めながら、この後の二人の行動を想像し絶句する。

「じゃあな」
目黒は、お茶を飲み干してから去っていった。
「ああ、牧石よ。
あの二人に限って、お
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