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とある誤解の超能力者(マインドシーカー)
第10話 最後の手段
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、問題ないわ。
卒業するためには、これまで行ってきた透視、念力、予知のトレーニングを1セットずつ行って、合計17点以上あげれば卒業だわ。
得点配分は、透視と予知が1つ正解で1点、念力については、17回以上正解すると1点で、それ以上は1回成功回数が増えるごとに1点が加算されるわ」
「それならば、普通に力があれば、簡単に合格できますね」
「そうね、能力はかなり個人差があり、複数の力が均衡していたり、念力に特化して、他の能力がダメというケースもある。
だから、一つの能力だけで卒業できるようにしてあるの」
「卒業試験については、わかりました」
牧石は試験については理解した。
研究所の所長によって、試験を受けて合格すればすぐに卒業できるというのは、逆にありがたいことだった。
これ以上室内にこもりっぱなしになれば、室内に何も楽しみがない状況におかれた牧石にとって、苦痛でしかない。


牧石は少し喉が乾いたが、話をつづけた。
「先ほどの人が話していた、卒業試験に不合格だと、追い出されるというのは?」
「あいつが、原因なのよ!」
磯嶋は、怒気を強めて答える。

「原因?」
「牧石君も知っていると思うけど、ここのコンピューターの利用は、私たちが最優先で使用しているようになっています。
その影響を一番受けたのが、彼、天野よ」
磯嶋がはき捨てるようにいった。

「天野の研究なんて、これを使わなくても進むのに、勘違いしているのよ。
そして、所長に取り入って今回の話を仕組んだの。
彼は研究能力ではなく、政治力で研究をしているわ」
磯嶋が珍しく、他人を批判したが、牧石には磯嶋の考えがわからなかった。

「僕はどうなるのですか?」
「研究所を追い出されたら、君の身分を保障するものがなくなるわ。
この街から退去させられることになるわね」
磯嶋は寂しそうな表情をした。

「そうですね」
牧石は、ここの世界に到着する前のことを思い出した。
自分が神と自称した男は、鍛錬すれば能力を発揮すると言っていた。
しかし、これまでのテストで力が現れたことはない。
神の話が正しいのであれば、何らかの力があるはずなのに。
牧石は、今のままでは能力が使用できないことから、別の視点から超能力を考えることにした。

「そうですね。
今日はゆっくり休ませてください」

「そうね、最近訓練時間が多かったわね。
明日に備えて少し休むといいわ」
磯嶋は、少しだけ悲しそうな表情を見せたが、すぐに普段の表情にもどった。
「ごめんなさい。
磯嶋さん。
僕のせいで、巻き込まれてしまって」
牧石は、自分のせいで騒動に巻き込まれた磯嶋にあやまった。
「気にしなくてもいいわ。
こう見えても、研究者としては一流だからすぐに、別の研究所に引き
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