第6話 リラクゼーション
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知能が十分に解析されていなかったことだ。
いくつかの、人工知能に関する思考実験を答えることができなかった状況では、早すぎた研究と言われても無理はない。
結局、当時の国の官僚が予算を確保するためにぶちあげた内容だったからな。
結局ソフト事業の必要性など、予算確保の観点からあまり重要視されてなかったからね。
まあ、ハード面でのアプローチ事態はそれほど間違ってはいなかった。
現に推論マシンと呼ばれるハードウェアは完成した。
しかし、予算確保のために「人工知能」とかぶちあげた人の声を鵜呑みにした連中からすれば、失敗にしかみえないだろうねぇ」
「だったら、逆に人工知能を得るために必要なソフトが開発されたら、成功したのか」
「そうだな。
まあ、残念ながら現実は難しいね。
実現するために必要な、解決すべき問題が多すぎる。
まあ、理論面の難題を無視して、一番てっとりばやく解決する方法は、生きた人間をすべてシミュレートすればいいのだろうが……」
「できるのか?」
「さすがに、そこまでハードは追いついていないよ」
「まあ、そうだよな」
「コンピューターの話は後でするとして、訓練を始めましょう」
磯嶋の指摘で現実に戻った牧石はうなずいて、再びコンピューターに向き直す。
再び、コンピューターが牧石に声をかける。
コンピューターが説明を続ける。
「リラクゼーションの意味は、意識と肉体の緊張を取り除くことです。
緊張したままでは、うまく超能力を発揮することができないのです」
コンピューターの声は、抑揚もしっかりしており聞き取りやすい。
「それでは、基本姿勢から練習しましょう。
マットの上に座ってください」
牧石は先ほど床から現れたマットの上に座って、コンピューターの方に視線を移した。
「一番楽だと思う姿勢を作ってください。
そして、そのまま全身に力を入れてください」
牧石はコンピューターの指示に従い、全身に力を込める。
「これ以上我慢できないと感じたら、一気に全身の力を抜いてください」
牧石は、力を抜くと意識が軽くなった気がした。
「これがリラックスのポーズです」
コンピューターからの声が聞こえる。
「それでは、くりかえし練習してみましょう」
牧石は、コンピューターの指示に従い練習を繰り返した。
「リラックスのポーズができたようですね。
次は呼吸法の練習をします」
どれくらい、時間が経過しただろうか。
牧石は、時間についての意識を忘れていた頃に、コンピューターから、新しい指示が来た。
「おお!」
牧石は、自分の目の前にスクリーンが表示されたので驚いた。
「だから、スクリーンがなかったのか」
「説明を続けます。
呼吸はトリップをするための入り口です。
まずは、身体にエネル
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