第4話 転生をした日
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磯嶋が指摘したように、通常の方法での進入や脱出は難しいことが理解できた。
「この施設にいる間、君はどうしたいかな?」
「そうですね、……」
牧石は、味噌汁を飲み干すと、これからのことについて考えはじめた。
当面の間、ここで保護されることはわかった。すぐに外出しても、周囲の状況が把握できないと、不審者としてつかまってしまうだろう。
それならば、しばらくの間施設内で生活してその間に外の状況と、超能力のことについて調べた方がいいだろう。
アニメの中だけでは、超能力の基本的な考え方が説明されたが、具体的な訓練の言及は乏しかった。
小説の中ならば、詳細な記述がされていたのではないかと考えると、やはり無理にでも小説を読んだ方がよかったと、少しだけ後悔した。
「そうですね、磯嶋さん。
せっかくなので、超能力開発トレーニングを受講したいのですが?」
「そうね、そのほうがいいでしょう」
磯嶋は、牧石の返事にうんうんと頷くと、
「さっそく、明日から訓練をしましょう!」
手にしていた箸を天井に向けて突き立てながら、宣言した。
「牧石君、超能力のトレーニングは初めて?」
「ええ、そうです」
「そうなると、いろいろと資料を準備しなければいけないわね。
私の部屋には、研究資料しかないから、初心者でも理解できる内容となると、資料室から取り寄せるしかないわね。
こんなことなら、昨夜から、訓練者用のID申請をすればよかったかしら。
まあ、コンピューターだけ眺めるよりも、書籍の方がなじみやすい場合もあるら……」
急にテンションが高くなった磯嶋に対して、牧石は、笑顔をひきつらせることしかできなかった。
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牧石は疲労により、小休憩を取っていた。
超能力の連続使用は身体に良いものではない。
それでも牧石は、
「そうだ。
磯嶋さんの好意を無にしないためにも、この研修を終わらせてみせる」
牧石は、超能力開発を受講した時の決意を思い出し、訓練を再開した。
だが、残念なことに、いっこうに成果は上がっていない。
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