第4話 転生をした日
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だろう。
そのような場所からは、早急に脱出しなければならない。
でも、どうやって?
牧石は、いろいろ考えていた。
しばらくすると、入り口の扉がスライドしながら開く音がした。
牧石は、視線を入り口に向ける。
「意識が戻ったそうね」
部屋に入ってきた女性は、白のブラウスの上に長めの白衣を身につけ、サンダルを履いていた。
20代後半の女性で、少し厳しい目つきをした細い顔をしていた。
きつく結ばれた唇をかすかに動かして、男に確認していた。
「ああ、体に異常はないようだ。
後日、精密検査での確認が必要だけどね」
男は、目の前の書類から女性へ視線を移すと、さきほど牧石に行った説明を繰り返す。
「わかったわ」
女性は、目の前の牧石を眺めながら確認した。
「今日は夜も遅いから、詳しくは明日聞きます。
とりあえず、今日は自己紹介だけします。
磯嶋秋子。ここの研究員をしているわ」
「牧石啓也です」
「牧石君ね、よろしく」
磯嶋は、右手を差し出す。
牧石は、その手を握った。
磯嶋の手は、少し冷たかった。
牧石は、磯嶋が用意した、手作りのおにぎりとお茶を口にしてから、磯嶋に別の部屋につれてこられた。
無機質な白い部屋。
牧石が部屋に入ったときの第一印象だ。
実際にはテーブルやベッド、モニター一体型のコンピューター等がおいてあるが、この部屋の生活臭は皆無だ。
磯嶋から、この部屋が研究者が長期間生活できるように用意された個室で、かつて生活していた研究員が3ヶ月前に、近くのマンションに移住したため、空室となっていたと説明を受けた。
牧石は磯嶋から、睡眠を勧められ、食事をしたことで再び眠くなった牧石は、素直に眠りについた。
目を覚ました牧石は、朝から磯嶋にこれまでの状況について、質問を受けた。
牧石の身分を証明する健康保険証やキャッシュカードは、牧石が身につけていた私服(転生前の世界で身につけていたものと一緒であった)の中に入っていた。
牧石は、起床してすぐ、健康保険証に記載されている内容を確認した。
牧石は、自分が記憶喪失ということにして、この世界の知識がない事を隠そうと考えていたが、何らかの形で嘘がばれる可能性がある。
嘘がばれた場合に、何が出来るかわからないが、全くなにも知らないよりはいいと考えた。
健康保険証に記載された、氏名及び生年月日は一緒だった。
転生前と日にちが変わっていなければ、年齢も変わらないだろう。
ちなみに、健康保険証に記載された住所は、埼玉県入間市だった。
牧石はその場所は知っているが、一度も行ったことがない。
現在の時刻を確認するため、自分の携帯電話も確認した。
携帯電話も、ポケットの中に入っ
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