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魔術QBしろう☆マギカ〜異界の極東でなんでさを叫んだつるぎ〜
第2話 これだけは伝えておこうかな
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弱な身体で、しろうは戦わなければいけなかった。正直に言って、宝具が真作並の力を見せてくれなければ既に死んでいたかもしれない。そうして戦い続けるうちに、しろうは幾人かの魔法少女と出会うことになった。最初に降り立った見滝原をはじめ、隣町の風見野といった周辺地域で魔女を狩り続けるうちに、遭遇していったのだ。
彼女たちには、自らを“しろう”と名乗っている。別にエミヤやアーチャーでもよかったのかもしれないが、インキュベーターたちが魔法少女に名乗っている名である“キュゥべえ”に合わせた方が受け入られやすいかと思い、その名を選んだ。そのせいで、どうやら自分が四男でキュゥべえが九男の兄弟だと思われているらしい。漢字にすると“士郎”であって“四郎”ではないのだが。
そして、出会った魔法少女たちにはせめて自分の戦闘技術を伝えるようにしてきた。しろうには彼女たちを元の人間に戻す術はない。ならば、せめて生き残る可能性を高めてあげたかった。そして、自身が魔女を狩り、グリーフシードを手に入れたときは、それを魔法少女たちに譲渡している。グリーフシードは絶望を糧とする魔女の卵であると同時に、その特性によってソウルジェムの穢れを吸い取ってくれる。しろうはその絶望を吸収するという概念を強化の魔術で強め、より多く、より長期間穢れを吸ってくれるようにしたものを渡してきた。そのことから、しろうは皮肉屋なところを多少嫌がられているものの、魔法少女たちからは比較的好意を持たれている。
そんな風に、魔法少女たちと交流しながら戦い続けているが、未だしろうはマギカの抑止力の言った救ってほしい者たちが誰か解らずにいた。溜息まじりで肉に火が通るのを待っていると、不意に背後から気配を感じる。
「何の用だ?」
振り返らずに、後方にいる存在へ声を掛けた。間をおかず、明るさの割に無感動な声が返される。
「君にも教えておこうと思ってね」
背後の相手、キュゥべえの言葉に、しろうは振り返った。
「この町の魔法少女がもうすぐいなくなることは、君も知っているだろう?」
「父親の転勤だと、昨夜聞いた」
短くしろうが答えれば、キュゥべえは言葉を続ける。
「そのこともあって、新しく魔法少女と契約することにしたんだよ。なかなか素質がありそうな子が見つかってね」
「必要ない。この町の魔女ならば私だけで対処できる」
しろうにぴしゃりと言い放たれ、キュゥべえが溜息を吐いてきた。
「僕たちの目的は、魔女を狩ることじゃないだろう?」
キュゥべえの言葉に、しろうは視線を鋭くする。
「年端もいかない少女たちを甘言で躍らせ、消耗品にすることが目的だというのなら、尚更賛成できんな」
「まるでこの星の人類の様な台詞だね」
そう返したキュゥべえの言葉は、感情が感じられないにもかかわらず不
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