「―― I am the bone of my sword」
魔女の頭上5メートル辺りを舞うインキュベーターが、耳毛に新たな剣を握る。螺旋状に捻じれた、大振りの歪な西洋剣。魔女を眼下に見据えながら、それが弓につがえられる。途端、強大な威力がその剣に集中していった。
「“偽・螺旋剣”!」
言葉とともに、矢が射られた。烈しい雷電をまといながら、放たれた剣は魔女へと一直線に突き進む。魔女にそれを防ぐ手段はなく、螺旋状の刃は魔女の頭を突き破った。
荒れ狂う雷は魔女の身体を噛み千切り、着弾の衝撃は魔女の血肉を吹き飛ばしていく。そして、魔女の身体を貫いていく刃がその体の中心に達すれば、その刀身が爆ぜた。大爆発により魔女を粉微塵に砕け散り、主を失った結界も揺らいで消えていく。その揺らぎが収まった時、周囲は何の変哲もない夜の公園へと変わっていた。