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魔術QBしろう☆マギカ〜異界の極東でなんでさを叫んだつるぎ〜
第2話 これだけは伝えておこうかな
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か、いないのか、それまでとは違った動きを見せる。矢印型の刃を掲げたかと思えば、それをインキュベーターへと突きつける。刹那、周囲に浮いていた幾つかの記号が動き出し、矢印が指す方へ、即ちインキュベーターの方へと殺到する。弾丸もかくやという勢いで飛んでくるそれらを見て取れば、インキュベーターはとんぼ返りを止めて鋭く前を見据える。その前足と尾には弓と剣は既になく、代わりに耳毛に黒と白の中華剣を握っていた。
 そして、魔女の弾丸が赤い外套のインキュベーターを撃ち抜かんとした瞬間、インキュベーターの刃が閃きを見せる。剣舞さながらに振るわれる双剣は、記号の弾丸を易々と打ち落としていき、一切その身に寄せ付けない。魔女はその攻撃が通じないことを見て取ると、再び腕を掲げてインキュベーターに突きつける。すると、先刻同様に宙を漂う記号がまた動き出した。しかし、その規模は大きく違う。戦い合う両者の周りに浮かぶ記号、その全てが動き出したのだ。

 流石にその数を捌くことは無理だと判断したのか、インキュベーターはすぐさま身を翻し、魔女から離れんと走り出す。間をおかず、その小さな体を追うようにして記号の群れが飛び出す。脱兎のごとく駆けていくインキュベーターは、進行方向から来る弾を潜り抜けたものの、窮地を脱していない。よけた記号は途中で反転し、インキュベーターを追う弾丸の群れに加わってしまうためだ。そして、いつの間にか魔女の凶弾は、全てが赤い外套の背を追う形になっていた。それを確認すると、インキュベーターはおもむろに振り返り、耳毛を突き出す。
I am the bone of my sword(体は剣で出来ている)――」
 その口が言霊を紡ぎだした時、その奇跡は形を成し、顕現した。
「“熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)”!」
 刹那、巨大な赤い花が咲く。突き出された耳毛から7枚の赤い花弁が壁の様に展開され、インキュベーターを守護する盾となった。魔女の放った無数の魔弾は、花弁の盾に阻まれて1発たりとも通り抜けることができない。
「ふむ、他に攻撃手段はないようだな」
 確認するように、鷹の眼のインキュベーターが呟いた。鉄の刃の如き無機質で冷たい眼差しを向け、一言口にする。

壊れた幻想(ブロークンファンタズム)
 その言葉が放たれた瞬間、空気が変わった。紅い外套のインキュベーターが放った矢、魔女を囲むように突き刺さっていた剣が、一斉に爆発したのだ。耳をつんざく轟音と高熱を帯びた爆風が虚空を震わせ、その威力は魔女に噛みついていく。
 甲高い悲鳴が上げられた。苦痛に満ちた声が、爆音を覆わんばかりに鳴り響く。それを認めるが早いか、インキュベーターはまた黒塗りの弓と2振りの剣を耳毛に握り、矢として射る。

 すると、先程は全く当たっていなかった矢は見事に魔
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