第二幕その二
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
くはないとも思う。彼はもうルサールカの美貌に心奪われだしていたからである。それに自分も気付いていた。だがそれでも王子という立場が。彼を留まらせていたのだ。
「よく来てくれた」
そうした心の動きを隠してルサールカに顔を向ける。
「実はそなたに聞きたいことがあってここに呼んだのだ」
「・・・・・・・・・」
ルサールカは答えはしなかった。
「そなたは。私のことをどう思っているのだ?」
彼は問う。
「あの湖で出会ってから暫く経つ。だがまだそなたの返事を聞いてはいない。だからだ」
「是非お答え下さい」
従者も言った。
「王子様の御質問に。宜しいですか」
「・・・・・・・・・」
だがやはり返事はなかった。ルサールカは俯くだけであった。
「そなたは一体何者なのだ?」
王子は心配そうな顔で問う。
「一体何処から来たのだ?教えてくれないか」
「・・・・・・・・・」
だがやはり返事はない。沈黙したままだ。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ