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ルサールカ
第二幕その二
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くはないとも思う。彼はもうルサールカの美貌に心奪われだしていたからである。それに自分も気付いていた。だがそれでも王子という立場が。彼を留まらせていたのだ。
「よく来てくれた」
 そうした心の動きを隠してルサールカに顔を向ける。
「実はそなたに聞きたいことがあってここに呼んだのだ」
「・・・・・・・・・」
 ルサールカは答えはしなかった。
「そなたは。私のことをどう思っているのだ?」
 彼は問う。
「あの湖で出会ってから暫く経つ。だがまだそなたの返事を聞いてはいない。だからだ」
「是非お答え下さい」
 従者も言った。
「王子様の御質問に。宜しいですか」
「・・・・・・・・・」
 だがやはり返事はなかった。ルサールカは俯くだけであった。
「そなたは一体何者なのだ?」
 王子は心配そうな顔で問う。
「一体何処から来たのだ?教えてくれないか」
「・・・・・・・・・」
 だがやはり返事はない。沈黙したままだ。

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