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英雄伝説 零の軌跡 壁に挑む者たち
8話
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むことなく走り続ける大陸横断鉄道は大陸の大動脈として運行量は世界一を誇っている。
ほぼ30分で両国国境を行き来し、両国首都まで一日掛からない大陸横断鉄道は常に平日にも関わらず大変な賑わいを見せていた。
臨検のために乗り降りで混雑することはないが、膨大な人数を飲み込んでは吐き出していく。また貨物列車の切り離しと接続の作業に多くの鉄道公社の社員が駆り出されている。

ロイドは駅を出てクロスベル市の中心、中央広場まで老夫婦と同行することになった。老夫婦の住所が東通りにあるので途中まで荷物持ちである。
クロスベル市の中心街に来たロイドの第一声は、「うわーずいぶん変わったなー」という感嘆の声だった。
ロイドの記憶にある建物のほとんどが取り壊されて新しいものが建っているか改装されて新しくなっているかで周囲を見回しても市のシンボルである巨大鐘楼以外では古びた雑居ビルぐらいしか記憶と一致しなかったので本当さっぱり変わってしまって目まぐるしいというのはこういうことかと。
何よりも大きな変化は導力車の数だった。
3年前までは数える程度だったのだが何台もかつては馬車が通るために広く作られている道路を進んでいく。

「車も多いですね」

「ほれ、あそこのオーバルストアで買えるようになっとる。導力バスの本数も増えとるからな」

本当に3年で変わったんですねとしみじみと言うロイド。

「じゃあわしらはここらで。何か困ったことがあれば遠慮なくな。まあ下宿先ぐらいしか紹介できんが」

「いえ、寮が用意されてるらしいで」

「そうか、じゃあしっかりな。わしらは東通りに住んでるんで」

そう言って老夫婦と別れたロイドは初出勤に行政区にある警察本部に向かった。

「警察本部まで移転してはいないだろうな」



ロイドの記憶通り行政区は何も変わっていなかった。自治州成立から存在する市庁舎に図書館に警察本部。区画整理があちこちでされており道まで変わってる状況で記憶通りというのは安心できる。ちょっと迷ってしまったし。
警察本部の玄関には待合席が設けられ何度か兄貴を訪ねてきた時に座った思い出がある。
ここが職場になると思うと不思議な気分だった。

とりあえず受付で案内を聞こうとしたのだが、受付の若い女性警官が女性市民を相手にしていた。

「申し訳ありません。手違いで情報が降りて来てないみたいです。人事課に問い合わせてますので、もう少しお待ちいただけますか」

ピンク髪の若い女性警官が応対して市民は待合席に座り、後ろで青髪の眼鏡の女性警官が受話器を肩に挟んでタイプライターみたいなものを物凄い勢いでカタカタと両手で押していた。

「こちらクロスベル警察です。どのような御用ですか?」

ロイドが受付の女性に声をかけると元気の良い声
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