ラウラ・ボーデヴィッヒ
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手練れが居れば、一夏達に為す術は無い。
サイレント・ゼフィルスが、オータムが空けた穴から病室に入り込もうとする。
しかし、それはもう一機のISにより阻止される。
「更識楯無……」
「この先は通しませんよ」
普段の飄々とした雰囲気はなりを潜め、蒼流旋を構える。
「これもアイツの指示か!?」
幾ら何でも、奇襲をかけられたとは思えない程に対応が完璧過ぎる。まるで、衛宮切嗣の手の中で踊らされている様に……
「いいえ、」
しかし、楯無はその問いを否定する。
「私は切嗣君にお願いされただけですよ」
「誰もそんなロマンチックな答えは聞いていない……」
どちらにしろ、切嗣の要請で楯無が此処に居ることにかわりない。なら、切嗣の指示に従ったで良い筈だ。
「クスッ……指示とお願いは違うのよ。それを、教えてあげる……!」
一瞬ミステリアスレディのボディがぶれ、次の瞬間にはサイレント・ゼフィルスの武器「スターブレイカー」が水の槍に貫かれていた。
「だから、どうした?」
しかし、貫いた瞬間にMは後退しながら新たな「スターブレイカー」を呼び出していた。
「……これは少し骨が折れそうね」
槍を構え直すと、今一度サイレント・ゼフィルスと距離を詰めるべく、間合いをはかりだした。
スコール率いる亡国企業の建てた計画が切嗣の置いた布石に妨害される中、一ヶ所だけスコールの計画が滞りなく進んでいる所があった。
「はっ、はっ……」
「え、衛宮……」
妨害策を考えた当の本人、切嗣だった。スコールの作戦、疲弊しきった衛宮切嗣をゴーレム部隊で潰すというものだった。それに対し、切嗣は有効な対策をうてずこの瞬間を迎えた。今、切嗣はおびただしい血を流しながらラウラを抱くように引き寄せていた。
「……何故庇った?」
切嗣の怪我は致命的だ。放っておけば死に至る。だが、ラウラを助けなければこれ程の怪我は負わなかった。合理的で無い……
「死に、たかったのか?」
息も絶え絶えで、ラウラの肩を掴み問う。
「そうだな……それも悪くない」
全てを達観したような表情で、特に悲しむでも無く告げる。
「もう、私に生きていく意味が無い」
それは違う。そんな答えなど切嗣は望んでいない。
そんな願い、ラウラが望んでいない。
死を望む人間がこんな、悲しそうな表情をする訳がない。死に臨んで尚、自分を救った男にすがり付く訳がない。
何故泣く?何に怯える?
「ラウラ、何に怯えている?……あの時、何故涙を流したんだ?」
はっとした様に、俯いた顔をあげる。
……切嗣は見た。セシリアと鈴音に刄を向けた時のラウラの顔を。
泣いていた。
自覚していたかどうかは知
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