ラウラ・ボーデヴィッヒ
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ていた訳では無い。ただ、何か喋らないと押し潰されそうだったからだ。故に、
「放っておけばよろしいのでは?」
こんな答えなど期待していなかった。
「後ろっ……!?」
咄嗟の判断でISを部分展開しながら、後ろを向く。が、
「きゃっ!」
見えない敵に殴られ、壁に叩き付けられるに終わった。
「そこだっ」
しかし、それは無駄では無かった。真耶が攻撃を受けた方向から逆算すると、敵の位置は調べが付いた。そして、織斑千冬にはそれだけ判れば十分だった。
鋭い蹴りが、襲撃者を襲う。
「あら、ばれてしまいましたわね?」
それは運良く光学迷彩をたらしめる場所を直撃し、襲撃者の見事な金髪を露にした。
「貴様、何者だ……?あの無人ISは――」
「全部私の差し金ですわよ」
「……詳しく聞かせて貰おうか?」
拳を固める千冬。総ての黒幕はコイツだと言わんばかりに。
「構いませんわよ……無論、私に勝てたらの話ですが」
言うな否や、二人の拳が交わった。
「な……一体何が?」
学園付属の病院室で、アリーナで行われていた試合を見ていたセシリアと鈴音は同じ感想を胸に抱いた。
「一体何が……」
「それはお前等が知る必要はねーぜ」
条件反射で、声の発生源を見やる。入口の壁に体をもたげていたのは金髪の麗人
「オータム」
「え?」
「俺の名前だよ。殺されるとしても相手の名前くらい知りたいだろ?」
「殺す」という単語が聞こえた瞬間、二人は身構えた。が、次の瞬間には恐怖に変わった。今、彼女達のISは修理中。限り無く無力だ。
セシリアと鈴音の表情を酷薄な笑みで愛でていたオータムだが、それに飽きたか「死ね」と言うと、ISを展開してブレードを彼女達に叩き付けた。
「させるか!」
しかし、その刄は二人を傷付ける事は叶わなかった。
「お前は……!何故此処にいる?」
壁を切り裂きオータムの前に立ち塞がったのは、世界初の男性ISパイロット、織斑一夏。
「そこ!」
「ガハッ!?」
だけでは無い。一夏と対角線上に居たのは篠ノ之箒。一夏も箒もISを展開している。狭い室内で闘うのは不利と断じたか、オータムは壁を蹴破る様に外に出、場所を移した。
「てめえら、アリーナの観客席に居たんじゃねーのか!?」
計画を妨害された事に怒りを露にする。
「切嗣の指示だ!あいつは、こうなる事を予測していたんだ!」
切嗣が一夏と組む事を嫌がった一番の理由、それはこの様な事態に対する布石を打つためだ。もし一夏までアリーナに居たらセシリアと鈴音は十中八九殺され、コアも奪われていただろう。しかし、だ。
「いけ、M!」
それは襲撃者を一人と仮定した場合のみ有効だ。もう一人、オータム以上の
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