第一幕その二
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れど」
「けれどもどうしたもないんだよ」
お爺さんはさらに言う。
「可哀想なことになってしまうよ」
「それでも・・・・・・いいわ」
ルサールカは思い詰めた声で言った。
「あの王子様と一緒になれるのなら」
「本当にいいのかい?」
「ええ」
迷いはあったがそれでも。意を決した顔であった。
「あの人が好きだから。それでも」
「ルサールカ・・・・・・」
お爺さんは首を横に振った。空しそうに横に振った。
「馬鹿な娘・・・・・・」
「御免なさい、けれど」
「もういいよ。じゃあ御前は御前の好きなようにしなさい」
「お爺さん・・・・・・」
「そのかわり。何かあったらわしがいるからね」
お爺さんは言う。
「何時でも。わしが側にいてあげるから」
「有り難う、お爺さん・・・・・・」
「それだけは忘れないでおくれ」
「ええ」
「じゃあね。それじゃあ」
お爺さんは悲しい顔のまま湖の中へ戻っていく。ルサールカは湖の上に一人となった。
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