ALO:フェアリィ・ダンス〜両刃の剣と天駆ける龍〜
プロローグ
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『セモン君』
誰かの声が聞こえる。
『セモン君。君と面向かって話すのはこれが初めてになるかもしれないね。よく聞いてくれ。君も、君の大切な人たちも、SAOからログアウトできたようでほっとしているよ。だが、まだSAOから帰ってきていない者たちがいる。そう。最近巷で話題になっている『SAO未帰還者』だ。彼らは皆、《アルヴヘイム・オンライン》……通称ALOと呼ばれるVRMMOにとらわれている。あの世界は、SAOの上に成り立ったもう一つのSAOとでもいうべき存在だ。私は一度精神を分解し、あちらに飛ぶ。彼もすぐにこのことを突き止め、やってくるだろう。セモン君。《神話剣》に選ばれた勇者よ。君も、あの世界に赴いてくれないか。もう君はVRMMOが嫌いになっているかもしれない。けれどこれは……私からの、最後の頼みだ。秋也をしっかり見てやれなかった、ふがいない兄の、贖罪の頼みだ』
そうか……あんたは……
『……さて、私はそろそろ行くよ。セモン君。世界の運命を……君にも、託す。蛇足だが、ALOにはナーヴギアでもダイブできるよ。……向こうで会おう』
そう言って、謎の声……いや、その持ち主は明白だ。SAOの製作者。《聖騎士》としてSAOの頂点に君臨した男。
ヒースクリフ……茅場晶彦は去って行った。
そこで、夢は終わった。
*
SAO事件の解決から、二カ月の時が経過した。
この二年間で、セモンの・・・清文の知る世界は大きく変わっていた。
まず、SAO、およびナーヴギアを開発・発売した世界最強のゲーム会社、《アーガス》が倒産。その後、全ての権利は《レクト》という会社に委託された。
続けて、電子機器などが発達していたこと。帰還後すぐは、PCの性能が格段に上がっていたことに驚きを隠せなかった。
《ナーヴギア》はもちろん販売中止、本体も回収されることが決定している。
そして・・・約三百人の、《SAO未帰還者》。
SAOがクリアされたのにもかかわらず、いまだに帰還していない者たち。一体どうしたことなのか、彼らは一向に目を覚ます気配がなかった。
そしてその中に、アスナ―――――結城明日奈が含まれていることは、キリトから聞いていた。
昨夜の夢を思い返す。
セモンの無二の親友、京崎秋也の兄にして、SAO開発者。依然として行方不明のままの《聖騎士》ヒースクリフこと茅場晶彦は、彼らは皆《アルヴヘイム・オンライン》と言うゲームにとらわれている――――――と言った。
《ソードアート・オンライン》が大事件を起こしたことにより、ジャンルそのもの
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