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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
第107話:当直生活
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してるはずだ。何もなければな」

「そっか・・・」

俺の答えを聞いたはやては、顎に手を当てて考え込み始めた。
長くなりそうな気配を感じ、俺ははやての部屋のポットから
カップにコーヒーを注ぐ。
ちょうど、テーブルの上に2つのカップを置いたときに、
はやてが目を上げた。

「ん、ありがとう」

「どういたしまして。それで、何を考えてたんだ?」

「いつごろから任務を受けられるって回答しようかなぁ、って考えとったんよ。
 で、私としては2月の中頃からは大丈夫って言うつもりにしたとこ」

「そうか。まあ、中頃ならさすがに隊の状況も落ち着いてるだろうしな。
 いいんじゃないか?」

「そらおおきに。ほんなら、地球から帰ったら返答を出すことにするわ」

それから、30分ほどコーヒーを飲みながら雑談をしたあと、
はやてはソファから立ち上がる。

「さてと、ほんならそろそろブリッジに戻らんとな」

「いいよ、俺が行くから。はやては帰る準備でもしてろって」

「ええの? ほんなら、お言葉に甘えさせてもらうわ。
 おおきにな、ゲオルグくん」

はやてはそう言って俺に向かってニコッと笑った。

「じゃあ、俺は行くな」

そう言ってソファから立ち上がり、艦長室のドアに向かおうとすると、
はやてに呼び止められた。

「そういえば、4月からのゲオルグくんの配置についてなんやけど、
 私のほうから上には話をするけれども、上がそれで納得するとは限らんから
 それだけは理解しといてや」

「わかってるよ。そのときは諦めるさ」

俺ははやてに向かって手を振ると、艦長室を後にした。





・・・2日後。

まだ夜も明けきらない時間、俺は副長室のベッドで目を覚ました。
生あくびを噛み殺して、ベッドから降り、着たまま寝たためについた
制服のしわを伸ばす。
クローゼットを開け、上着を取り出して羽織ると、扉についた鏡で
身だしなみを整える。

部屋を出て艦橋に向かうと、途中で大きなあくびをしている
アルトに出くわした。

「ふぁ・・・。あ、ゲオルグさんじゃないですか。これから当直ですか?」

「おう。アルトはこれから仮眠だな」

「はい。じゃあ、寝させてもらいますね」

「ん、ゆっくり休めよ。お休み」

「ありがとうございます。じゃあ、失礼します」

最後にもう一度大きなあくびをして、アルトは居住区の方に向かった。
一方俺は、眠い目をこすりながら、艦橋へと入る。
照明が最低限まで落とされている艦橋はうす暗く、そんな中で
ところどころのディスプレイが光を放ち、少し幻想的な光景にも見えた。

艦長席には、昨夜から今朝にかけての当直士官だったグリフィス
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