第二幕その六
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精霊を裏切った場合の罪は。それは死だな」
「はい・・・・・・」
その言葉にこくりと頷く。
「御存知なのですね」
「司祭からな。彼には止められた」
「ここへ来るのを」
「だが私は構わないのだ」
まだルサールカを見ている。
「そなたを愛していることに変わりはないから。罪なら受けよう」
そこまで言う。
「だからそなたを」
「お帰り下さい」
ルサールカはそんな彼を拒絶した。
「私と一緒になることはこの世ではできないのですから」
「ならそれで構わない」
彼はまた言う。
「そなたと少しでも一緒にいられるのなら」
「そこまで・・・・・・」
「だからここまで来たのだ」
「私の為に・・・・・・」
「そなたと共に」
目を見るその目の光がさらに強くなる。
「少しでも一緒に」
「私は永遠にいたい」
ルサールカのその目から涙が零れ落ちた。
「一瞬などではなく永遠に。貴方といたい」
「ルサールカ・・・・・・」
「だから少しなどと言わないで下さい」
王子を見据えて言う。
「わかった」
王子はその言葉に頷いた。
「では。永遠をそなたと共に」
「はい・・・・・・」
ルサールカの手が自然に動く。そっと前に出た。
「永遠に私と」
「永遠にそなたと」
王子も手を前に出す。
「一緒に・・・・・・」
二人の手が触れ合った。その時だった。
奇跡が起こった。何とルサールカの髪が再びあの黄金色になったのだ。
それだけではなかった。奇跡はまだあった。
「これは・・・・・・」
顔の横から見えるその豊かな黄金の髪に気付いて声をあげた。そう、声が出たのだ。
「どういうことなの!?」
自分でも何が起こったのか掴めていない。
「何故声は・・・・・・」
「奇跡なのか!?まさか」
「そう、奇跡じゃ」
王子も驚いていると湖の中からお爺さんが姿を現わしてきた。
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