八話
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住んでいた土地では、地震や台風がこの世界よりも多いのでな。その様な環境だと、石造りの建物は崩れやすい。その点、木造ならば揺れには強い。恐らくそのせいだろう」
「なるほどね、人の生活は環境に影響してくるのね」
「そうだな。自分達の生活をいかにして住みやすくしていくか、その点で言えばどこの世界も同じかも知れん」
「そうね。環境とは建物だけでなく、人一人の人生を左右するのかも知れないわね」
「確かに。今の生活が安泰なら、悪事を働かなくて済む者も居るのかもしれない」
華琳と如水が思いを語りながら歩いていると、カゴを売っている露天商を見つけた。
「華琳、済まないが少し待ってくれ。そこの露天商からカゴを買っておきたい」
「いいけど、貴方。少しは部屋を綺麗にする気になったの。」
「自分では部屋を荒らしているつもりは無いのだが。竹簡を纏めるのに必要だと思ってな」
如水の言葉を聞き、華琳はため息をつき呆れた。
「それだと、一つ二つの量では済まないでしょう。私も手伝ってあげる」
「いいのか」
「ええ、どうせ私にも必要な物になって来るでしょうから」
如水と華琳は露天商に近付き声をかけた。
「済まない、カゴを貰いたいのだが」
声に答えたのは若い女性だった。
「へい。毎度、お二人さん、おおきに」
「二十程欲しいのだが、良いかね」
如水の注文に少し驚いたが、すぐに気を取り直した
「お兄さん、太っ腹やね。ありがとうな」
明るい性格で、このような商売に向いている女性だった。
「少し、見せて貰っても良いかな」
如水がそう言うと、女性の方が喜んで見ていってくれと言った
「なかなかしっかりした物ね。これは誰が作った物かわかる?」
華琳がそう言うと、女性の方が更に喜んだ。
「これは、うちの村のみんなで作った物なんや、ここの領主様はえらい立派な方らしいから、売りにきたんや。他の土地では、えらい金が掛かるし、大人しく商売も出来んらしいからな」
「そうか、ところでこれは何に使う物だろうか」
変わった物を見つけ、如水は女性に聞いた
「お兄さん、目が高いな。これはうちが発明した、全自動カゴ編み装置や」
「全自動カゴ編み装置?」
華琳が首を傾げていると、如水はそれを手に取り見ていたが思いついた事を言った
「もう少し、竹のしなりを押さえる為に細工した方が良さそうだな。このままだと、竹のしなる勢いで壊れてしまう。」
「え、なんやお兄さん、わかるの?」
「ああ、そうだな。…留め具にネジを使えば良いいと思うが」
「ネジ?なんやそれ」
「渦のような溝を巻いている留め具だ、それを使うと安定するかもしれない」
如水がそう言うと、女性の方は興味深げに聞いてきた
「渦のような溝。それって、どんな物なんや」
そう問われた如水は、地面にネジの図を書き出
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