謝罪
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ってるのが足音でわかる。そしてドアのノブが回って一気に扉が開かれる。目尻には涙が溜まっている。
「あたし……あたし……」
直葉は言葉をそのあと数回小さい声で呟いて意を決して言った。
「あたしは優君のことが好きだった!!」
いきなりの告白に優は一瞬たじろく。しかし、スグをまっすぐ見続ける。
「でも、優君は心から好きな人を私が告白する前に見つけて……そっちに行っちゃったから……もう、この気持ちは言わないって決めてたのに……だから……だから、ゲツガ君を好きになろうと思った。ううん、もう好きになってた……なのに……それなのに……」
「……」
優は黙って聞くしかなかった。直葉の言葉を受け止めるしか今は出来なかった。
「なんで、なんで、こんなことになっちゃうの!!」
そして直葉は下を向いてから震えながらぽつりぽつりと呟くように言う。
「あたし……優君がSAOから帰ってきて嬉しかった。小さい頃から優しくてかっこいい優君が帰ってきてすごく嬉しかった。ようやく、私の気持ちを告げれるって思ったのに……」
そして直葉の涙はついに床にぽつぽつと落ち始める。
「……でも、もう無駄になった!ようやく、ようやく伝えようと思った気持ちが一気に伝えづらくなった。ユキさんを見る優君の顔を見てると言えるはずないじゃない!!あんなに、あんな心苦しそうな顔を見たら何もいえないよ!!」
「ゴメンな……スグ……お前の気持ちに気付いてやれなくて……」
優は頭を下げて謝る。そして頭を上げて直葉を見ると、悲しそうな顔をしてから言った。
「……、二人とも放っておいて……」
そして直葉は自分の部屋の扉を閉めた。バタンと小さな音だったが寒い廊下に響いた。
「カズ……どうしたもんかね……」
「そうだな、お前のその鈍感な恋愛の部分を強制することからしなきゃならないな」
「そんなことは今じゃなくていいだろ。とりあえず、何か考えよう」
優は廊下の壁を背にして座り込んだ。和人は優に言った。
「なんか、俺の問題じゃなくて優の問題だったぽいな……。まあ、優じゃこういうの無理っぽいから一緒に考えてやるよ」
そう言って和人も壁に背を預けて座った。
「まあ、実際スグの気持ちに俺が気付けなかったのが悪いんだよな……だったら話し合うしかないんだが……今の状態は無理だしな……」
「ああ、まあそんなに話し合いたいなら時間が経ってからじゃないと駄目だな」
「カズ、それじゃ遅いだろ……どうしたもんかな……」
「別にこっちじゃなくてもいいんじゃないか?顔をあわせながら本性が聞ける方法なんて身近にあるんだし」
「テレビ電話か?少し難しい気がするんだが」
「何言ってんだ
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