第一幕その一
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えおって」
「まあまあ」
「謝ったんだし許してよ」
「で、何の用なのじゃ?」
誠意なぞ全く見られなかったが人のいいお爺さんはそれを許した。そしてまた木の精達に対して声をかけた。
「だからそちらの娘さん達を見に」
「やはりそれか」
「邪険にしないで」
「同じ森の仲間じゃないか」
「しかし御主等毎日来ておるじゃないか」
「だってなあ」
三人はその言葉に顔を見合わせる。
「水の精霊って可愛い娘多いからなあ」
「そうそう、女の子はやっぱり水の精」
彼等は口々に言う。
「それが一番さ」
「若い頃のわしとそっくりじゃな、全く」
彼等のそんな言葉を聞いて苦笑いを浮かべる。
「そうしたところは」
「じゃあ一人紹介してよ」
「お爺さんがさ」
「ああ、駄目じゃ駄目じゃ」
だがお爺さんはそれを受けようとはしない。左手を左右に振ってそれを断る。
「恋は自分で見つけるものじゃ」
「自分でって」
「何だよ、紹介してくれないのかよ」
「好きな人ができてからわしのところへ来るがいい」
「それどういうこと?」
「話はそれからなのじゃよ」
お爺さんはにこりと笑って木の精達に言う。
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