GGO編
百十四話 敵(かたき)を信じよ
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後ろから不快そうな声が割り込んだ。
「女……邪魔を、するな……!」
「っ……」
シュウシュウと不快そうに息次の音を響かせつつ、ザザは続ける。
「お前は、すぐに、殺して、やる……どけ。俺は、ジンに、用が、ある……」
「……だってさ」
「…………」
リョウがそう言って、アイリに退くように促し……アイリはそれを……
「……退かないよ」
綺麗に無視した
若干キレ気味に、リョウが問う。
「……アイリさん?最初に俺が言った事覚えてるよな?」
「覚えてるよ。でも、今はあの時想定してたのと状況が違うもん」
「…………」
黙りこむリョウに、アイリは一気に話した。
「二対一じゃ、リョウだって分が悪いって私でも分かるよ。さっきの連携、一回見ても少し大変だよね?リョウが信用できない訳じゃないけど……相手が二人で来るなら、こっちも二人で行かないと……」
「……道理は通るけどな……」
額を抑えつつ、リョウは溜息をつくと……ザザを真っ直ぐと見る。
「忘れてねぇ?そいつ、アレ持ってんだけど……」
「でも、リョウが警戒してるのは砂漠の向こうの人だよね?」
「ぬ……」
説得しようとしたリョウに、しかし、裏を見抜くようにアイリが言った。相変わらずザザに刃を向けたままのアイリは、隙を見せまいとするかのようにザザを睨みつけている。もしザザが拳銃を抜こうとすれば、即座に彼を真っ二つにするだろう。仮にライフルで妨害されたとしても、おとなしく当たると言う事もあるまい。
「なら、この人の相手は私がするから、その間に……「ク、ク、ク……」っ……」
真剣な顔で言ったアイリの言葉に、死銃の嘲笑が割り込んだ
「お前が、俺の、相手を、するだと?人一人も、殺した事のない、殺し合いの、意味も、知らない、女が……覚悟も、力も、無い。ジンや、黒の剣士、以下の、女が……?」
「……悪いけど……」
見下したようなザザの言葉に、怒りも憎しみも見せず、唯一つ、右手に持った“鋼鉄の片刃の剣”をヒュンッ!と斜めにひと振りして、その切っ先を真っ直ぐにザザに突きつけ、アイリは言う。
「私は、貴方の殺し合いに付き合うつもりなんて無いの。殺人鬼としての勝負がしたいなら、一人でSAOの中にでも戻ってやっててくれるかな?」
「…………貴様」
「生憎、私は普通に向き合って、高々拳銃一つに普通に当たるほど弱く無いよ。私を殺したいなら、先ず先に私の事倒して、動き封じなきゃね」
それは、正面に居るザザに言うと同時に、背後のリョウにも言っている言葉だった。拳銃一つごときに、そう易々と当たったりしない。無言でしかし言葉尻に彼女はそうリョウに言っていた。
「それが、出来ないとでも、思うか……?」
試すようなその言葉に、アイリはニコリと笑って返した。
「思
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