GGO編
百十四話 敵(かたき)を信じよ
[5/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
しげるような動作でザザが答えた。同時に、後ろからアイリの息を詰める声が聞こえ、しかしそれをスルーしてリョウは聞く。
「何、そんなに手間のかかる話じゃねぇよ。お前は思い出すだけで良い」
「何かは、知らないが、それに、答えると、思うか?」
「答えるかどうかはテメェの勝手だ、俺は聞くだけだからな」
これは初めから、アイリにも確認済みの事だった。そもそも戦闘中に相手に過去の事について質問ぶつけると言うだけでもおかしな話なのだ。その上、相手にはそもそもその質問に答える義務など無いのだから、寧ろ質問をおとなしく聞いてくれたらラッキー程度。戦闘しながら話す。という事もあり得る訳である、とはいえ……話し始めれば、恐らくはこの男ならば食いつくのではないかという妙な勘が、今のリョウには働いて居た。
「なんなら、剣突き合いながらやるかい?」
「…………」
飄々とした調子で行ったリョウに、ザザはしかし、警戒したのか、あるいは単に此方のペースに乗りたくないだけか、剣尖を突きつけたまま動こうとしない。
「黙って聞く奴は紳士的で好きだぜ。さて……お前らの昔話で聞きてぇ事があんのよ」
「何……?」
「まぁ、頭弱いと覚えてねぇかもだけどな……」
少し肩をすくめるようにして言いながら、リョウはザザに問う。
「ききてぇのはSAOが始まって八カ月くれェの頃の話だ。お前とPohってその頃もう会ってた?」
「……話す、義理は、無い……」
「んじゃその頃お前らに人生相談か何か死に来た女に心辺りは?」
「…………?」
行き成り死銃が、何言ってんだ此奴と言いたそうに動きを止めた。まるで此方の意図を探るかのようなマスク越しのその視線に、リョウはケラケラとからかうように笑って言う。
「あぁ、何もとち狂って言ってる訳じゃねぇぞ?そりゃお前らにそんな事聞く奴が居るなんて思ってねぇけどさ。“その方面”の話しだったら、居そうじゃねぇか」
「…………」
思い出しているのだろうか、少しばかり黙り込んだザザに、リョウは内心でほくそ笑んだ。どうやら、口でああ言いつつも内心考えてはくれているらしい。
『優しい友達を持って幸せだぜ俺は』
そんなくだらない事を思ってから、リョウはふと思い出した事があった
視線だけで砂漠の向こうを見る。先程までザザとの戦闘中に飛んで来ていた弾丸は、今は飛来しなくなっていた。立ち止まっている相手なら予測線があろうが無かろうが飛んできそうなものだが、避けると言う事を予測されているのだろうか?
というかもっと言うならば、初めの時点で狙われたのが武器だったのもおかしい。あの時点でリョウの事その物を狙っていれば、後はアイリを煮るなり焼くなり出来た筈……
「ク、ク……」
「?なんだよ」
「ク、ク、ク……成程、そう言う事か。ジン、お前も
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ