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SAO─戦士達の物語
GGO編
百十四話 敵(かたき)を信じよ
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は反応速くなったじゃねぇか」
其処にギリギリで、ザザのエストックが割り込み、それを受け止めた。エストックは元来相当に細い構造をしているためつばぜり合いには向かないのだが、何やら材質が堅いのか、あまり耐久値減少のエフェクトが出ていない。
鍔迫り合いを続けながら、顔を突き合わせて、リョウはスカルマスクの紅い瞳に向かってニヤリと笑って言った。

「ったく、てめぇがプライド高いのは知ってたけどな。本当に随分とくだらねぇ事を言いだすもんだなオイ」
「な、に……?」
「本物とか何とかアホくせぇ。それが俺達のする事に何の関係があんだよ……殺しに矜持でも持ったのか何なのかしらねぇが、殺す側に本物も偽物もあるかっての」
「お前のような、卑怯者に、言われる筋合いは、無い……」
苛立ったように言ったザザに、リョウは面白がるようににやにやと笑う。

「卑怯者、ねぇ……元々殺しする人間なんざ好きでやってるか、必要だからやってるかの二択しかねぇけど……成程、要は好きでやらねぇ奴は卑怯だって言いてぇのか。自分等と同じじゃない奴が悪いと。っは、まるでガキだなお前」
「…………!」
突き合わせたスカルマスクの奥で、ギリ、と強く歯噛みをする音が聞こえ、それに反応してますますリョウはニヤニヤと笑う。

「っと!」
「!」
しかしそれ以上口を開くよりも前に、飛来した巨大なライフルの狙撃がリョウの居る空間を貫いた。コンマ数秒早くバックステップで下がったリョウはそれを躱して、即座に攻勢に出る。

「そら!前とは違うってとこを見せてみな!」
「ジン……!」
近距離でキリトやアスナと比べると大分遅いものの、走り込んだリョウに、再び死銃のエストックが迫る。しかし……

「ノロマ」
「……!」
左手に逆手に持ったコンバットナイフで、リョウはそれを易々と反らす。そのまま走るスピードは緩めず、火花を散らしながらリョウは一気にザザへと接近する。振りかざした右手のナイフが銀色の尾を引いてザザの顔に迫り、スカルマスクの表面で火花を散らした。

「惜しい!おっと!」
「…………」
と、再びリョウの居た位置に弾丸が飛来し、それをリョウは慌てたようにバックステップで避ける。

「やれやれ、厄介な援護だ事。お前よりよっぽど問題だな」
「……!」
つくづく馬鹿にしたようなリョウの言葉が癪に障っているのか、シュウシュウと不快そうに音を立ててザザは再びエストックの切っ先をリョウに向けるが、流石に三度も不用意に打ち込んでくる様子は無い。

「学習能力位はあるか……けどお前と睨みあってても仕様がねぇしなぁ……まぁ、お前の事馬鹿にすんのも飽きてきたし……あぁ、そだ。此処で一つ、質問タイムと行こうか」
「何……?」
「っ……」
シュウシュウと言う息の音が止まり、首をか
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