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SAO─戦士達の物語
GGO編
百十四話 敵(かたき)を信じよ
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、その意味を、考えず、殺して、忘れた、卑怯な、PKKでしか、無い」
「…………」
言いながら、ザザが背に持っていた長いスナイパーライフルから、銀色の何かを引き抜いた。一瞬、銃身内部を清掃する為のクリーニングロッドかとアイリは思ったが違う。先端部を鋭く尖らせたそれは、一見細剣(レイピア)に近いが、その用途は大きく異なる。
切る、刺すを目的としたレイピアが主に騎士同士の決闘に使われたのに対して、此方は完全に実戦用、相手の鎧を刺し抜くためだけ作られたもの。
その名は、刺剣(エストック)。SAO時代に、赤目のザザがメイン装備として使っていた武器だった。

ザッ、と音を立てて、ザザが一歩踏み込む。ライフルで狙われている以上下手に動く事の出来ないリョウは一瞬驚いたように目を見開いて、しかし即座にニヤリと笑いながら聞いた。

「何だ?わざわざ近距離まで踏み込んで来てくれんの?」
「お前には、これが、ふさわしい、あの世界の、ように、(これ)で、お前を、倒す」
「っは、何だよそれ意味ねぇだろ。何こだわっちゃってんの?」
嘲笑するように言ったリョウに対して、何故かザザの声は真剣身を帯びている。

「意味は、ある。此処で、お前を斬れば、お前は、あの世界の、殺人者のトップでは、無くなる」
「……はぁ?」
訳が分からないと言うように、首をかしげたリョウに、更にザザは踏み込んでくる。

「お前は、本物では、ない。だが、お前は、あの世界で、殺人者として、最強で、あり続けた……現実は、違う、お前は、唯の、PKKで、俺達は、本物だ。お前に、俺達が、劣る道理は、無い……」
「…………」
「此処で、お前に、俺達は、止められないと、証明する……」
言って、ザザは更に踏み込んだ。それは既に、彼のエストックの間合いだ。

「俺達は、殺すためだけに、此処に、居る。お前達とは、根本から、違う、本物の、殺人者として、此処に、いる。もう、止められない、お前には、止められない」
「……はぁ」
「止めることは……出来ない!」
全く予備動作の無い突きが、リョウに飛びかかる。アイリは一瞬、それがどう突き出されたのか全く分からなかったが、ヒュンッ!と音を立てて飛んだ銀閃は一直線にリョウの顔面へと迫る。

「リョ……え……!?」
「……!?」
「……くっだらねぇ……」
しかしその尖端は、リョウの体の何処も突きさすことなく制止した。
リョウが、ガードのエフェクトをまき散らしながら、エストックの尖端を、まるでそれがさも当然であるかのように掴んでいたからである。

「覇っ!」
「く……!?」
「疾ッ!」
次の瞬間、片足でエストックをはね上げつつ、リョウは一気に踏み込むと、右手で腰から抜いたナイフをザザの首に振りかざし……

「……!」
「へぇ。少し
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