第三話〜過去〜
[4/4]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
何が起こったのか理解できない焔は呆然とする。
江はそんな焔を強く抱き締める。そして震える声で言った。
「…そんな悲しいことを言わないでください。私に最後の肉親を、私の母を殺させないでください」
「あ、あなたの母親は」
「確かに『母上』は死にました。でも『母様』は私に新しい名前と生きる場所をくださいました。何より忘れていた愛情を注いでくれました」
焔を抱き締める力がより一層強くなる。
「私にとってあなたも亡くなった母上もどちらも大切な母なのですから」
この言葉を聞いた焔は江にしがみつき、江の胸の中で声が枯れるまで泣いた。
その後、城へ戻る江はその道中で密かに誓いを立てた。
我が知、我が武、我が身の全てを孫呉のために使うこと。
それを亡き母上、母様、そして自分自身に誓う、と。
大剣は掲げ、額に押し当てると、江は誓いの言葉を呟いた。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ