十四話
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クロムくん。何かあった?」
ッ!!ホントこう言う時はいつも鋭いな……
「何もないよ。どうして?」
いつものように対応する
「……。わかった。話せるようになったら、話してね?」
そう言って、ミルテは陸戦場の方へ歩いて行ってしまった
「敵わないや……。ミルテにも隠し事出来ないなんて」
昔は普通に隠し通せたのに…。どうしてだろう
その後は誰にも会わずにロッジに戻った
「あれ…?」
ロッジの中にメガーヌさんの姿がない。どこか掃除でもしてるのかな?
「ま、いっか。ロンド。浮遊お願い」
≪はい≫
車椅子ごと、浮かせてもらい二階へ上がる
二階の一番端の部屋が僕とアスが使っている部屋
部屋に入り、ベッドに横たわる。車椅子は邪魔にならないように、端の方に押しやる
≪マスター≫
「ん?何?」
ロンドが話しかけてくる
≪私は以前、マスターがインターミドルに出るのは反対と言いました。ですが、今のマスターなら、私は大丈夫だと思うんです≫
「何を言ってるの…?僕がフィールドに入った時の事は知ってるはずでしょ?」
≪それは重々承知です。ですが、マスターは試験の時。短期決戦でも、ちゃんとフィールドに立ててたじゃないですか!≫
あれは……
≪あの時、ちゃんと記憶に向き合っていました!それ以前に、そろそろ乗り越えなくちゃなって言ったあの言葉、あれは嘘だったんですか!?≫
「嘘じゃないっ!!」
嘘なはず……ない…
≪マスター。貴方は気づいてますか?試験の時、先ほどのアス様との模擬戦。自分が笑っていた事を気づいていましたか?≫
「……」
笑う?そんな事あるはずがない。もう、戦いの時は笑わないって決めてたんだ。笑うはずなんて……
≪マスターは二年前の感覚を取り戻しつつあるんです。あの、戦うことが楽しくて楽しくて仕方なかった日々の感覚を……≫
………そうか…
「ねぇロンド。あの写真、まだ残ってるかな?」
≪三年前の写真ですか?≫
無言で頷く
≪ちゃんと残してありますよ≫
モニターに表示された写真。日付は三年前、三年前のインターミドル。つまり僕が初出場した時の写真だ
僕を含めた12人の男女が映っている。身長はバラバラ、年齢もバラバラだ。みんな10代だけど、同い年は三人くらいしかいなかった記憶がある……
その写真で中心にいる鈍銀のショートカットの男の子。……そう、三年前の僕だ
包帯を巻いて、傷だらけだけど、今ではもう作れない、満面の笑みを浮かべている
「もう一枚の方も出してくれる…?」
≪はい≫
もう一枚も表示される。これは二年前、事故に遭う前のインターミドル
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