第14話
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だ!戦車だ!戦車が来るぞ!」
キュラキュラと音を立てて、戦車が歩兵部隊を引き連れて俺達の前に姿を表した。砲頭が右に動き止まる。ドゴーンと言う爆発音が辺りに響く。戦車から砲撃による攻撃を受けた。右翼の部隊が隠れていた場所から土煙が上がった。舞い上がった土が俺達の頬を叩く。
「クソ!右翼の部隊が全滅したぞ!ロイ曹長!ヤン少尉!どうするんだよ!」
「黙れカニス!此方にも砲撃が来るぞ!伏せろ!」
戦車の砲頭が此方を向いた。慌てて遮蔽物に身を隠す。すると、次の瞬間ヒューン、ヒューン、ヒューン、ヒューンと俺達の頭の少し上を何が通り抜けて行った。
音から少しして大爆発と轟音が辺りに響き渡った。空気がビリビリと震える。たまらず、俺は耳を押さえた。俺は視線を感じて顔を上げて前を見ると、そこにはバカデカイ4連装発車型ロケットランチャー、USM202A1フラッシュを肩に担いで構えた、エイ・プール軍曹とその側に立つフドウ・ユウト曹長の姿があった。
(漸く、戻ってきたか。これで事態を打開出来るかも知れないな)
キーンと耳鳴りがする中、俺は漸く来た二人を見てそう考えるのだった。
ロイ・ザーランドsideout
カニスside
敵の増援で現れた戦車が激しい炎に包まれて燃えている。さっきまで全滅の危機に晒されていた俺達だったが、運良く戻ってきたユウト・フドウとエイ・プールの二人のおかげで、危機を脱する事が出来た。ユウトの奴がヤン少尉とロイ曹長に何か報告をしている。俺はそんな3人から少し離れた、残骸の中から座れそうな場所を見つけ、そこに腰を掛けて座りつつ周辺を警戒している。
(へぇ〜。あれが噂のリボン付の死神か。初めて見たが単なる優男じゃあ無さそうだな)
ヘリの中で見た時は単なる優男と思ったが、実際は遥かに違った。最前線の中を潜り抜けて他の小隊の状況を確認しに行って、敵と交戦したにも関わらず無傷で帰って来た。しかも、他の箇所で敵を撃破してだ。
言うほど簡単に出来る事では無い。だが、あの二人はやってのけた。腕が良い証拠だ。
(運だけで生き残れるほど、戦場は優しくないからな。まあ、早く反撃に出るならやらせて欲しいぜ。俺はチマチマした防衛戦は好きじゃないんでね)
「カニス!エイ!集まれ!」
「了解しました」
「はい」
ヤン少尉に呼ばれたので3人が待っている場所に集まる。俺と同じ様に呼ばれたエイも分隊支援火器MG4(機関銃)を持ってやって来た。エイはあの細腕でよく機関銃を持ってられる事が、不思議と思うのは俺だけなんだろうか?
そんな事を考えていると、ヤン少尉が指示を出す。
「ユウト、ロイ、カニス、エイ。お前達四人が今から、アタックチームだ!既に先行する筈だった、第一チー
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