第13話
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?なんでセレンが目の前にいるんだ?)
「漸く気付いたか。私が声をかけても返事をしないから、もう少しで実力行使するつもりだったんだぞ?」
そう言って、腰のホルスターにある拳銃を握っていた手を離す。どうやら考え事に集中しすぎて、セレンの接近に気がつかなかった様だ。
「ああ。済まないセレン。考え事をしていたんだ。それで、俺に何か用か?」
「ああ。悠斗。お前に階級章を渡しにきた。受けとれ」
セレンがポケットから階級章を手渡す。俺は階級章を受け取り眺める。
ドイツ連邦軍の曹長の階級章だ。
俺は階級章を服に付ける。
「現場復帰は曹長からか。まあ、前線に出るなら最高な階級だ」
「ふ。そうだろうな。悠斗。それと明日の午前8時に基地の第三会議室に集合だ。遅れるなよ。復唱」
「は!了解しました。明日の午前8時に基地の第三会議室に集合であります!セレン・ヘイズ中尉!」
俺は即座に立ち上がりセレンに敬礼して、内容を復唱する。
セレンも返礼してから僅かに微笑んだ。
「ふふ。懐かしいな。こうやって悠斗と敬礼のやり取りをするなんてな。ああ、プライベートな話し方で構わない。どうせ二人しかいないからな」
「そうだな。懐かしいな。そう言えば、明日の第三会議室に集合の件はもしかして?」
俺の問いかけにセレンは真剣な表情に変わった。
「ああ。NATO(北大西洋条約機構が本日正式に武力介入を決定した。場所は中東だ。覚悟しておけ」
「ああ。分かった。なら、作戦に備えるとするさ。じゃあ、また明日」
「ゆっくり休め。明日からは目の回る程忙しいからな」
セレンはそう言って基地の中に戻って行く。俺はその後ろ姿を見送った後、ベンチから立ち上がり基地の出口へと向かいリューベック城に戻るのだった。
悠斗sideout
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