第13話
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するが、全て紙一重で悠斗兄様は避けて行く。
しかも、一切反撃していないのだ。
「悠斗!どうしたのですか!まさか、臆したとでも言うのですか!」
「まさか、まだ回避に専念してるだけさ」
「私も3年前とは違いますからね。その余裕を絶望に変えてあげます!後悔しなさい!トンファーキック!」
マルさんが右足で蹴りを放つ。悠斗兄様は難なく避けるが、マルさんが間合いを詰めて背後に回る。背後に回ったマルさんが悠斗兄様の回避した場所をトンファーで殴るも、悠斗兄様は既に離脱しており、二人の間は5m程開いていた。
「「「「「「おお!!」」」」」」
(あの、状況でどうやって距離をとったのだ!?全く私には見えなかった)
周囲にいる兵士達からも声が上がる。実戦経験がある兵士達すら驚きを隠せていない様だ。
悠斗兄様とマルさんは再び正面から睨み合う。
「今の移動、どうやったのですか!?」
「うん?単なる縮地法だけど?」
(凄い!悠斗兄様は縮地法すら、極めているのか!)
一瞬で間合いを詰めたり離したり出来る移動術の縮地法。まさか、それを現実に見ることが出来るとは思いもよらなかった。
(流石悠斗兄様!悠斗兄様の祖国日本の国技SUMOUに出るRIKISIは気を使うと友人から聞いているから、悠斗兄様が縮地法を使えても不思議ではない。流石悠斗兄様だ!)
私が自己完結していると、悠斗兄様が構えを初めてとった。左手を軽く曲げて前にして右手をやや前に出す独特な構えかただ。だが、マルさんは怒りの表情を浮かべる。
「その構えはなんですか?私を舐めているようですね」
「いや。舐めてる訳じゃないんだが」
「問答無用です。私をおちょくった罰を受けなさい!」
マルさんが右ストレートを放つ。悠斗兄様はマルさんの手首を掴むとその勢いを殺さずに片腕でマルさんを投げ飛ばし、地面に叩きつけた。
「がはぁ!く!」
マルさんが即座に立ち上がり防御体勢を取る。
悠斗兄様は投げる前と同じ構えを取っていた。
「まさか、悠斗。貴方はCQCが使えたのですね!初めて知りました」
「まあな。今までは使う必要が無かったから、使わなかったけどな」
悠斗兄様とマルさんがゆっくりと円を描くように動く。互いに攻撃を仕掛けられる間合いを探っている。
「来ないなら、俺から行くぜ!」
「む!ち!」
10mは有った筈の間合いを一瞬で摘めて、マルさんの正面に現れた悠斗兄様。流れるような動きで、右ストレート、左フックのワン・ツーパンチを繰り出す。マルさんはトンファーでガードすると、ゴキンと金属同士がぶつかった様な鈍い音が響く。
「どんな固さですか!私のトンファーにヒビが入るなんて!」
「うん?安心しな。
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