使徒大戦
第三章
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き、助けにきたのは残念ながら王子様じゃなかったわ。それはファ……こほん、綾波レイだったの。なんとATフィールドで! 前からアイツ、人間ばなれしてるわねと思ってたけど、まさかATフィールドが張れるとは、さすがのアタシも思ってなかったわ。
ま、とにかくレイのおかげで絶体絶命状態じゃなくなったものの、弐号機の脱出装置が作動してくれなくて、あいかわらず乙女のピンチは続いていたわ。
そこを救ってくれたのは、もちろんアタシのシンジよ。……まだちょっと照れるわね。
眠っていた使徒の混成クローンとしての本能に働きかけることができたおかげで、初号機本来のもつS2機関を起動させることに成功したわ。でもそれは、使徒としてエヴァが覚醒するということ。その代償にシンジはだいぶ魂をかじられてしまったらしいわ……。
アタシのために、そこまでしてくれたの。
大きな対価を支払って、シンジはナルシスホモを圧倒しかけたんだけど、またもやろくなことをしないあの変態は、こともあろうに動けないアタシの弐号機に向かって槍を投げたの。
そんなことされたらシンジがどうするかなんて、アンタたちにも分かるでしょう?
そう、身を挺してアタシを守ろうとしてくれたの。ばかよね……。
でもあの槍は初号機とATフィールドをあっさりと貫通して、そのまま弐号機に食い込んだわ。そして、アタシの記憶はそこでいったん途切れたの……。
次に気がついたときには、暖かい海のようなところだった。まわりを包む柔らかい光が、シンジの心だということが、なぜかすぐに分かったわ。
アタシとシンジは肉体を離れて、初号機のコアの中にいた。シンジは槍を部分的に支配することに成功したんだけど、アタシを救うためにはこの状態にするしかなかったんだ、と謝っていたわ。でももちろん、アタシはむしろシンジに感謝していたわ。
なぜなら、そこでアタシたちはお互いの魂に触れあうことができたの。シンジの痛みも、アタシのさびしさも、シンジの弱さも、アタシの強がりも、すべてを理解しあったわ。そうして、最後にアタシたちは、相手の心の中の一番大事なところに自分が住んでいることを知ったの。それはとてもうれしいことで、アタシたちの心の傷を癒してくれた。
シンジが初号機に削られてしまった魂を、アタシがアタシ自身の魂でそっと埋めていくと、シンジは照れくさそうに、でもすごくうれしそうに言った。魂の奥底でつながって、これで僕たちはもう離れられないんだね、と。なにあたりまえのこと言ってるのよ、離れようなんて考えた瞬間に殺すわよ、とアタシが返すと、シンジがもっと喜ぶ波動がアタシを揺らしたわ。
アタシの欠けた部分は、弐号機の中に少しだけ残っていたママの魂の欠片を使ってシンジが埋めてくれたわ。
そしてシンジが二人の体を再構成して、コアの外に出たとき
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