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カルメン
第四幕その二
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た。それまで華やかに鳴り響いていた闘牛場の音楽が止まった。その瞬間にまずカルメンが口を開いたのであった。
「あんたね」
「俺だ」
 ホセは答えた。
「来ると思っていたわ。けれど逃げなかったわ」
「俺は別に悪いことをしに来たんじゃないんだ」
 ホセはまずこう前置きをしてきた。
「過去は忘れよう。そしてやり直すんだ」
「やり直すですって?」
 カルメンは動かない。動かないが眉を顰めさせた。
「無理な話ね。そんなことは」
「どういうことだ、それは」
「もう終わったのよ」
 それがカルメンの返答であった。

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