8*フラグより食欲
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ましょうか。
「…我は影、真なる我。……さぁ、愚かなる隣人共よ……」
シルバちゃんを抱えたまま、左手をあげて自分お気に入りのせりふを言う事にする。
「お前たちの好きな、真実を与えよう…」
本来はハイ○ーチャージで1ターン待たなきゃならんが今回は無視だ、んなもん。
そもそも、これ敵の技だし。
「此処で死ぬという、逃れ得ぬ定めをな!!」
そして、思いっきり左手を薙ぎ払う。
リーチとかの問題とかもこの際無視、とりあえずモドキって事で。
ズシャァァァァァ!
盗賊、一掃。
地面はえぐれてるけど、死んではいないべ。
ケマの影の必殺技、魔手○ヒルはくらうと100%気絶する鬼畜技だからね。とゆうかやっぱカッコイイな、このせりふ。
ちなみに、1ターンのタイムラグで逆に油断してガード解いて攻撃したら、くらって全滅した記憶が自分にはある。
……話が逸れた。
とりあえず、
「ゼノア、敵さん回収よろしく。
全員気絶してるだけだから。
そして、誰か食べ物をくれ…」
途端に弾けたように動き出す兵士達。
各々の仕事に皆が取り掛かる中、近衛隊の面々がパンを持って寄ってきた。
「…相変わらず、非常識ですね。」
「だよねー、しかも殺さないで全員気絶ってそうそうできないよ。
というかあの悪魔のような顔とセリフと技、絶対彼等の心には傷がのこってますね。」
「…さすが、先生…」
上からミミリィ隊長、リム副隊長、ムー君のせりふ。
自分は隊長から渡されたパンを貪りながら彼等の話を聞いていた。
なんか副隊長は褒めてんのかけなしてんのかわからんが。
「しかし、怒る理由がなんとも…
らしいと言えばらしいですが、身を挺して守るとは…騎士の鏡ですね。」
はい?
なにそれ…えと……ウサミミの……スゥ君?だっけ。
「どゆこと?」
「なーにとぼけてんですか、先生。
植物からも聞きましたよ、シルバを自らを盾にして守ったって。
つか、見せびらかしながら何いってんすか。」
……そういや、そんなこともあったよーな…
膝の上を見ると、あうあういいながら真っ赤になってる吸血娘の姿が。
すっかり忘れてた。
「あぁ、ごめんね。」
シルバちゃんを立たせると、残念そうに立ち上がって、大事をとって、隊長に促されるまま馬車へと押し込められた。やっぱり自分みたいなミスターオタクな奴とそーゆー勘違いされると乙女としてはショックだろう。
まぁ今はいいや、後で誤解も解けるでしょう。
そして、お腹も満たされて大分周りを見る余裕も出来たところであることに気付いた。
「……そいや姫は?」
こーゆーことには真っ先に騒ぎだすであろうあのじゃじゃ馬がいないのだ。
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