第一幕その二
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口にするのだった。
「その青い服の」
「先程のお話ですか」
「君の知り合いだったな。確かミカエラといったな」
「はい、そうです」
ホセはスニーガの言葉に応えて頷く。
「みなしごでして。うちのお袋が小さな頃に引き取って私と一緒に育てていました」
「では君の妹みたいなものだな」
「そうです、一応は婚約者ということになります」
「何だ、それは残念だ」
スニーガはそれを聞いて苦笑いを浮かべた。
「私の出る幕はないな」
「申し訳ありませんが」
「まあいい。それでだ」
スニーガは苦笑いをすぐに消してまたホセに問う。
「彼女は幾つかな」
「十七になります」
ホセは素直にミカエラの年齢も述べた。
「早いもので。もうそんなになります」
「人間歳を取るのは早いものだ。それにしても」
周りが慌しくなってきた。街の若者達が急にやって来たのだ。
「そろそろ煙草工場の仕事が終わるな。彼女を迎えに来たのだな」
「どうやらそのようで」
ホセもそれに応える。
「では誰か彼氏のいない娘でも探すかな」
「誰かいればいいですね」
「一人位はいるだろう」
スニーガは少し楽天的に言うのだった。
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