第二話〜王とは〜
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とがらせる。
「ちぇ、それなら私にもきっかけをくれればいいのにー」
「お前はきっかけなんざなくとも勝手に近づくだろうが」
戦のさなかだと言うのに軽口をたたき合う2人。
そんな2人に周囲の将、そして兵たちはため息をもらす。軽口が言い争いに発展し、双方が武器を構えるまでに至ったので、焔
は桃蓮の代わりに兵たちに指示を出した。
「別動隊が危機に陥ったらすぐに突っ込めるようにしておきなさい」
そう告げて、現在戦っているであろう息子のいる方角へと目を向けた。
辺りはまだまだ濃い霧に覆われていた。
―――――――――――――――――――――
一方その頃敵の根城へと攻撃を仕掛けた孫権部隊は困惑していた。
何せ敵の根城には人っ子一人いなかったのだから。
「何!?何故いないのだ!」
副官は怒り狂い、報告をもたらした兵を怒鳴りつける。
傍で聞いていた江は「奇襲が読まれていたからに決まっている」と呆れながら心の中でこぼした。
「ええい、探せ!探し出して攻撃を仕掛けるのだ!」
声を荒げ、敵を捜索するように指示を出す副官。
「…はぁ、もう無駄ですよ。恐らくは…」
敵の攻撃が来る。
そう続けようとした江の言葉をさえぎったのは味方の焦燥の声だった。
「申し上げます!背後に敵が出現!どうやら長江から洞庭湖に入り、我が軍の背後に回り込んだ模様です!」
この情報にあたふたと慌てふためく副官。
そして慌てる上司を見て、配下の兵たちも動揺し始める。部隊は最早烏合の衆という言葉が当てはまるまでになっていた。
しかしそんな雰囲気は一変した。
「静まれ!」
大音量の叱責が部隊内に響き渡り、突然の声に兵たちはシーンと静まり返る。
声を上げたのは江だった。
「たかだか敵が背後に現れた程度で隊列を乱すな!それでも孫呉の兵か!」
静寂が支配したその場に江の声のみが響く。
「今から部隊を2手に分ける!それぞれ敵の突撃を左右に分かれてかわし、横撃せよ!その他の指示はその都度伝える!以上だ!」
その言葉でようやく我にかえった兵たちはすぐに隊列を組み直し、来る敵の攻撃に備えた。
そんなとき江に声をかけてくる者がいた。
副官であった。
「き、貴様、孫権様の許しも得ずに勝手に兵を動かしたな。これは重罪だぞ!」
「ならば作戦を無視して、攻撃を仕掛けた貴方がたも軍律違反ですね」
副官の言いがかりに、迷うことなく反論をする江。
その言葉に副官は言葉を失う。
「そ
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