第七章 銀の降臨祭
第一話 わたしが……まもる
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分だが、その時こいつ香水が移ったんだろうな」
「えっ?」
「どうかしたのかい?」
ルイズが驚愕の声を上げ、ジュリオは怪訝な顔を浮かべる。
「ルイズがお前の香水の移り香を、女の移り香と勘違いしてな。それ――」
「シロウって男もイケたのッ??!!」
「違うッ!!!!」
とんでもない勘違いをするルイズの頭を叩きながら大声で怒鳴る。ルイズは叩かれた頭を両手で抑えながら涙に滲む目で、恨みがましく士郎を睨む。
「冗談じゃない。そんな本気にしないでよ」
「……冗談でもそういうのは勘弁してくれ」
「ぼくもそういうのは遠慮してほしいな」
本気で嫌そうな顔をする士郎の顔を見て、仕方ないわねと小さく呟いたルイズは、同じよう嫌な顔を浮かべるジュリオに顔を向ける。
「で? シロウはこの色男さんに何を頼んだのよ」
「ああ、それはだな」
士郎の視線を受けたジュリオは、士郎が何を言わんとするのか思い至ったのか、ぎこちなくも笑みを元に戻す。
「許可は貰えたみたいですね」
「今朝方許可をもらった。まあ……その直後に見ての通りこいつに捕まって、今に至ると言ったところなんだが」
「何? 何か文句でもあるの」
「……イイエメッソウモアリマセン」
ニッコリといい笑顔で笑いかけてくるルイズに、士郎は無表情で首を振る。その様子を見たジュリオは、一歩後ずさると、士郎に話しかけた。
「で、今から行きますか?」
「そうだな」
これ幸いとばかりにジュリオの言葉に頷いてみせた士郎は、一匹の風竜に向かって歩き出した。
ルイズは士郎の隣りを並んで歩いていく。
「あれ? ぼくが乗せて行くんじゃないんですか?」
「いや。風竜の操り方は竜騎士隊の者に教えてもらったからな。いい機会だ。風竜の一匹を借りる許可も受けたから自分で行く」
「二人で勝手に話を進めないでよ。一体何の話をしているのよ」
二人の話に強引に割り込んだルイズは、話しが見えないことに少々苛立ちながら文句を口にする。
士郎は苛立ちを見せるルイズの頭を、落ち着かせるように優しく撫でた。
「何よ……もうっ」
むくれながらも、どことなく嬉しげな様子を見せるルイズに微笑みかける。
「三日ほど前、アルビオンの竜騎士隊を捕らえたという話は聞いていないか? このジュリオがその竜騎士を捕まえたそうでな。気になることがあったから、その場所まで案内してもらおうとしているんだ」
「ふ〜ん、そうなの」
「で……話は済んだのかい?」
何処か呆れた様子を見せるジュリオに苦笑いを向けた士郎は、ルイズの肩を軽く。
「さてルイズ。そろそろ俺は行くが。お前はどうする?」
「そんなのもちろん行くに決まってるじゃない」
当然と言う顔を
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