第二話 〜道中〜
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かり持たないと危のうございますよ』
『ん〜…』
凱雲が溜息をついた。
豪帯様がワシの前に座りながら馬の動きに合わせて体を揺らしている。
一応馬の手綱を握りながらも体を抑えてあげてはいるが、その小さな体はいつ自分の腕から落ちてしまうか分からない。
あまり気を緩めるわけにはいかない。
先ほどまで意識をなんとか保っていた豪帯様ではあったが、あまりの不安さから豪帯様を勝手に自分の馬に乗せたはいいが、いざ乗せてみるとこれはこれで危ない気もする。
まったく、豪帯様は不憫というかなんというか。
本人も相当気にしてはおられる様だが、こうして自分の前に乗せてみると本当にまだ子供ではないかと思わされる。
これでまだ中身が威風堂々としていればそれなりに威厳が出るというものだが・・・
豪帯様にそれを求めるのは酷である。
多分性格上親に似て、とてもではないが人に厳命を強いる事はできないであろう。
実際豪帯様はそれはもう周りからも大切に育てられているようだ。
人を使う事をできるようになるまでは先が長くなるじゃろう。
そうなって来ると後は体の成長に任せるしかないが・・・豪帯様は既に18になられている。
もうこの先には期待できない。
どうしたものだろうか。
豪帯様はいずれ豪統様を継がねばならなくなる。
そうなる前に、それなりになってもらわねばならない。
・・・しかし、村での子供達との喧嘩を見ているとどうしても不安になる。
「はぁ・・・」
不安。
ただただ不安である。
昨夜の事を思い出す。
豪帯様が作られた賊への墓。
あれは本当に賊の事を思って作られていた。
そう、とても丁寧に。
それこそ、その賊に家族を殺された人間があれを見れば豪帯様を蔑み恨むだろう。
そうでなくても、賊は賊である。
情をかけるなど普通は考えない。
だが豪帯様は言われた。
”この人”と。
豪帯様を見ていると考えさせられる。
人に害をなす存在をそれでも同じ人として見る豪帯様は悪なのか。
それとも同じ人でありながら賊だという理由で人としての権利を奪う自分達が悪なのか。
・・・私にはわからない。
少なくとも私が賊を賊と、敵を敵と見れなくなったらこの薙刀を振るうことすらできなくなる。
そんな事は決してないし、あってはならない。
私は兵士なのだ。
武人なのだ。
豪統様より恩を受ける以上は、私は豪統様の為にこの薙刀を振るい続けなければいけない。
・・・これについて考えるのはここまでにしよう。
そうして空を見上げてみる。
そこには青く晴れ渡った世界とそこを自由に飛びまわる鳥たちがいた。
何にも縛られる事無く空を飛べる彼らならその答えを分かるのかもしれない。
同じ仲間を殺
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