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戦国異伝
第百十七話 鬼左近その十
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えしていた。
「さすればじゃ」
「その時に、ですな」
「狙い撃つのですな」
「杉谷じゃな」
 老人の声はこの者の名前を出した。
「やはり御主しかないわ」
「畏まりました」
 声の中の一人が応える。
「さすればその時は」
「頼んだぞ」
 老人の声は彼にまた告げた。
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