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戦国異伝
第百十七話 鬼左近その九
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、である。
 だがそれでもだと言う信長だった。
「だがあの御仁のやったことはじゃ」
「ただ苛烈なだけでございますか」
「それだけですか」
「そこに酷薄もあるがな」
 どちらにしてもいいものではない。
「人として大事なものが欠けたことをしたからじゃ」
「赤松氏に討たれた」
「そうなったのですね」
「公方にしろ僧にしろ守護大名にしろ人じゃ」
 無論女中や民百姓もである。
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