第二十二話 雪男の一家その十一
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「女房や雪ん子の下着もな」
「全部白ですか」
「下着も」
「そうだ、わし等は冬の妖怪だからな」
即ち雪の妖怪だ、だからだというのだ。
「必然的にそうなるのだ」
「何もかもが白っていうのもね」
「そうよね」
二人は妖怪達の話を聞いてまた二人で話した。
「清潔なことは確かだけれど」
「汚れ目立ちそうよね」
「割烹着とかってすぐに汚れるからね」
「だからこそいいんだけれど」
「あっ、私の下着は今の時代のものだからね」
雪女がここで言ってきた。
「ブラとショーツよ」
「着物の下はそれですか」
「本当に何もかもが白なんですね」
「見たい?」
雪女はニコニコとして二人に言う。
「女同士だしね。日下部さんと主人がいない場所に行ってね」
「あっ、別にそこまでは」
「何か悪いですから」
二人は雪女の申し出には遠慮して返した。
「気持ちというかそういうのだけ受け取らせてもらいます」
「そうさせてもらいます」
「謙虚っていうのかしら。じゃあ何か食べる?」
ここで雪女が出すものはこうしたものだった。
「かき氷がいい?それともアイスクリームかアイスキャンデーか」
「それもちょっと」
「遠慮させてもらいます」
二人は今度の申し出は余計に断った、この冷凍庫の中でそうした冷たいものは流石にどうかというのだった。
「本音を言うとあったかいものがいいんですが」
「駄目ですよね」
「その辺りの事情がわかると思うが」
雪男がこう言う。
「わし等は冬の妖怪だからな」
「ですよね。じゃあこの季節はいつもですか」
「この冷凍庫の中なんですね」
「そうなんです。別に溶けたりはしないですけれど」
雪ん子もその辺りの事情を話す。
「暑いのはどうしても駄目で」
「冬以外はずっとこの中?」
「そうなの?」
「夏は確かにいつもこの中ですけれど」
それでもだと話す雪ん子だった。
「春と秋は夜には出ていますし」
「涼しくなってからね」
「そうしてるのね」
「冬はいつも出ています。神戸は涼しいですし」
このことも大きかった、その場所の気温が左右する妖怪達なのだ。
「ですから大丈夫なんです」
「そうなのね。けれど夏はやっぱり」
「ここにいるのね」
「はい、言うなら引きこもりです」
雪ん子は笑顔で自分から話す。
「家族でずっとここにいます」
「そうなのね。それでだけれど」
「ここに泉はあるかしら」
「それだな」
日下部が冷凍庫の中を見回して言った。
「果たしてここにあるかどうか」
「それが問題ですよね」
「ここにあるのか」
「泉か。話は聞いているぞ」
雪男があっさりと言ってきた。
「あれだな。わし等がこの学園に来る時に通った場所だな」
「はい、そこです」
「どうい
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