第二幕その四
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第二幕その四
「だから少し待って」
「人を!?」
「誰なんだい、それは」
彼等はそれを聞いて顔をいぶかしめさせる。そうしてカルメンに問うた。
「後になってから追い着くから」
「そういうわけにはいかないよ」
レメンダートはそうカルメンに対して告げた。
「皆でやらないとな。成功するものも成功しない」
「それはわかってるわよ」
それでもカルメンは待つというのだった。
「それでもね」
「一体誰なのよ」
「その人って」
フラスキータとメスセデスはそれが気になっていた。
「あの兵隊さん?」
「ひょっとして」
「そうよ」
そしてカルメンは二人のその言葉に頷くのであった。その鋭い目で。
「営巣に昨日まで入っていたね」
「じゃあ来るかもな」
ダンカイロはそこまで話を聞いて腕を組んで述べた。
「ひょっとしたら」
「来るかね」
しかしレメンダートはそれにはいささか懐疑的であった。
「そんなので」
「昨日出たのなら大丈夫だろ」
それが彼の予想であった。
「多分だが」
「だから待つわ」
カルメンはまた言うのだった。
「ここでね。何なら賭けるかしら」
「二週間前に金貨をヤスリを仕込んだパンを差し入れたわよね」
「それ使わなかったし」
女二人はそれを言って否定的であった。
「それでも駄目だったから」
「やっぱり駄目なんじゃ」
「それはもうすぐわかるわ」
しかしカルメンには自信があった。余裕の笑みを浮かべていたからだ。
「だから待つわ」
「やれやれ。じゃあ今日の仕事は・・・・・・むっ」
「止まれ」
不意に店の外から声がした。若い男の声だ。
「そこに行くのは誰だ、アルカラの龍騎兵」
「竜騎兵」
「まさか」
四人はその声を聞いてまさかと思った。カルメンの笑みが確信のものになる。
「愛しい女の呼ぶ所、行かねば男がすたる」
「ほら」
カルメンは遠くから近付いて来るこの声を聞きながら仲間達に対して言うのだった。
「ならば通れ、名誉と恋。それが全てだから」
「言っているわね」
「ああ」
「ということはだ」
四人はカルメンの言葉と店の外の声に顔を見合わせて納得するのだった。
「俺達にはそれが全てだ、アルカラの龍騎兵」
「なあカルメン」
ここでダンカイロはカルメンに対して言うのだった。
「どうせならあの兵隊さんも連れて行くか?」
「そうできたらいいわね」
カルメンは考える目をしてダンカイロに対して述べた。
「無理だと思うわ。糞真面目だから」
「また厄介なのに惚れたな」
ダンカイロはカルメンのその言葉に苦い顔で言葉を返した。
「御前らしくない」
「男前だったからね」
それがカルメンの返答であった。
「だからよ」
「そうか。まあ誘
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