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失われし記憶、追憶の日々【精霊使いの剣舞編】
第七話「紅髪の少女 × 金髪の少女 = 相互反発」
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っ」


「いい加減にしろ!」


 この期に及んで言い訳する二人を睨むと、ビクッと肩を震わせた。


「幼児か君たちは! 言い訳なんぞ見苦しいマネはするんじゃない! 自分の非は素直に認めろっ」


 少しは罪悪感があったのか、二人はしゅんと肩を落とした。


「うん、ゴメン……」


「申し訳ありませんわ……」


「まったく、今後はもう少し考えて行動しろ」


 まあ本人たちも少しは反省しているようだから、説教はこのくらいにするか。


 先が思いやられるな、と最近癖になりつつある溜め息をつくと、中庭の方から複数の足音が聞こえた。


 駆けつけてきたのは銀の胸当てを身に付けたエリス。その後ろから同じ格好をした少女が二人。どうやら胸当てのアレは騎士団の制服らしい。


 エリスを見たクレアとリンスレットは露骨に顔を顰めた。


「こちらで争いがあったとの連絡があった。学園内での私闘は禁じられているぞ!」


 エリスはじろっとクレアとリンスレットに視線を向けると納得したように溜め息をついた。


「……なるほど、いつものお前たちか。よくも毎回懲りずに問題を起こすものだな」


「あら、いつものとはご挨拶ですわね、騎士団長」


「いつもの、だろう? レイブン教室の問題児」


 リンスレットがキッとエリスを睨み返す。


 エリスの背後にいた少女たちも遅れて到着した。片や三つ編みの茶髪の少女と、片や黒髪のボーイッシュな髪型の少女。


 少女たちもクレアたちを見ると、苦虫を噛み潰したような顔になる。


「火猫のクレア! 氷魔のリンスレット!」


「またなにかやらかしたのか、劣等なレイブン教室が」


 少女たちの目にはあからさまな侮蔑の色が浮かんでいた。


 それにしても『劣等』とは穏やかじゃないな。どうやらうちのクラスは問題視扱いされているようだ。


 クレラとリンスレットも剣呑な目で二人を睨んだ。


「……なんですって」


「いま、なんと仰いまして?」


 だが、少女たちは二人を無視して俺の方に顔を向けた。


「あんたか、編入してきたっていう、例の男の精霊使いは」


「へぇ、悪くないわね。けっこう格好良いんじゃないの?」


 三つ編みの少女が値踏みするような目を向けてくる。居心地は悪いが、素知らぬ顔で受け流した。


「ちょっと、こいつはあたしの契約精霊よ!」


「リシャルト様はわたくしが手懐けた下僕ですわ!」


 クレアとリンスレットが見も蓋もないことを言いはじめた。


 三つ編みの少女はふんと鼻を鳴らす。


「あ
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