―洗礼を受けし愚者―
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結社の洗脳を受けつけないのは、先日に行われた斎王とのデュエルで証明済みだ。
だが、レイを光の結社にしてしまっては、自分がついてきて一緒にデュエルをした意味もないし、何より遊矢に申し訳がたたない。
「うん、大丈夫。ありがと、剣山くん!」
放心状態はどこ吹く風、と言った感じで急に明るくなり、剣山の手を借りて立ち上がったレイの手には、一枚のカードが握られていた。
剣山の見たところ、光の結社には洗脳されていないようだ。
「ボクたちじゃ遊矢様には適わなかったけど、一つ分かったことがあったよ」
レイが手に持ったカードを剣山にも掲げて見せる……そのカードとは、黒崎遊矢のマイフェイバリットカードたる《スピード・ウォリアー》。
先程、遊矢がレイの横を通り抜けてホワイト寮へと行く時に渡されたカードで、クリップで『すまない』と遊矢の筆跡で書かれたメモが一緒に付いていた。
「遊矢様はまだ、ここにいるよ」
《スピード・ウォリアー》とメモを託し、敗者であるレイを光の結社にしなかった……これを、レイは遊矢がまだ光の結社に染まりきっておらず、抵抗しているのだと考えた。
しかし、自分の力量では遊矢を救えないことが分かった彼女は、遊矢を救うことを剣山と共にお願いに行くことにした。
彼の親友、三沢大地の元へ――
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