―洗礼を受けし愚者―
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遊矢の反応に、今は泣いている時じゃないと考え直したレイは、デュエルで彼を救うためにターンを再開した。
「恋する乙女で大天使ゼラートに攻撃! 秘めたる思い!」
当然、デュエルで負けそうだからといって自殺行為に走るレイではなく、発動するのはやはり光属性かつ打点が低めなレイには欠かせないサポートカードの出番であった。
「ダメージステップに《オネスト》を発動して、《恋する乙女》の攻撃力を《大天使ゼラート》の攻撃力分アップさせるよ!」
光属性の戦闘に関する必須カード《オネスト》の力を借りて、恋する乙女の背中に天使の羽根が生え、大天使ゼラートを戦闘破壊した――レイにとっては、斎王の支配から遊矢を解き放つ意味も込めての戦闘破壊だったのだが、その自身が使用したカード《オネスト》こそが、遊矢が敗北した要因の一つだとは、その場にいなかった彼女には知る由もない。
「メインフェイズ2、《進化する人類》と《キューピッド・キス》を装備してターンエンド!」
ひとまず《大天使ゼラート》による《サンダー・ボルト》の危険は封じ込め、《進化する人類》によって《恋する乙女》は《神聖騎士 パーシアス》の攻撃力を超える……今のレイの手札では、ここまですることが限界だった。
「バトル。《神聖騎士 パーシアス》の効果を使用し、《恋する乙女》の表示形式を変更する」
だがそんなレイの奮闘も空しく、遊矢は無慈悲に《神聖騎士 パーシアス》の効果によって、《進化する人類》のステータスの上昇が関係ない表示形式である守備表示へと変更する。
――そしてもちろん、《神聖騎士 パーシアス》にはパーシアスシリーズ共通の貫通効果がある。
「神聖騎士 パーシアスで恋する乙女を攻撃する」
「……っ、きゃあああっ!」
レイ&剣山LP400→0
完敗。
このデュエルを終えての状況はその言葉が一番相応しく、レイと剣山の二人がかりのデュエルの結果は《マジックアーム・シールド》や《ディノインフィニティ》によって一矢報いたものの、まさしく完敗と言って差し支えなく、遊矢を救えぬ悲しみからレイは大地に膝をついた。
当の遊矢は勝利の余韻に浸ることもなく、敗者に言葉をかけることもなく、ただデュエルディスクをコンパクトに収納すると、涙を流して放心状態のレイの横を通り抜けてホワイト寮へと向かっていった。
「……レイちゃん、大丈夫ザウルス!?」
一足先に完敗のショックから立ち直った剣山が、未だに放心状態となっているタッグパートナー、レイへと駆け寄った。
今の遊矢は正真正銘光の結社の一員であり、光の結社に敗北したものは、ほぼすべからく構成員へと洗脳されてしまっている。
ティラノ剣山本人は、身体に恐竜の骨が埋まっている影響からか、光の
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