―洗礼を受けし愚者―
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ことになったものの、遊矢はただただ無言で特に何も言わず、剣山とレイは今までのデュエルの経験から対戦相手である遊矢との実力差を充分以上に理解していた。
さらに、遊矢のデッキは光の結社になったことによって、元々の《機械戦士》から斎王が支給しているレアカードを――レイはそう考えたくはないが――デッキに入れている可能性が高いため、さらに実力差は開いていると言っても差し支えないだろう。
だが彼を助けるために、その遺憾ともしがたい実力差を埋める為に、汚いと文句を言われても二人でデュエルをする気だった……結果的には、人形のようになっている遊矢は文句一つ言わなかったが。
『『デュエル!』』
レイ&剣山LP8000
遊矢LP8000
「私のターン、ドロー!」
一番の先攻を取ったのはレイ……彼女の一人称は『ボク』であるが、慕う人の――遊矢の前では一人称が『私』になるという癖を持っている。
無意識に『私』を使った彼女は、必ず助けるという意思の表れか。
「《ミスティック・ベビー・ドラゴン》を召喚!」
ATK1200
DEF800
レイのデッキの切り札を呼ぶために必要な主力モンスター、ミスティック・ベビー・ドラゴン。
相手モンスターを戦闘破壊をトリガーとする効果にしては、その貧弱なステータスは致命的ではあるが、補う手段はいくらでもある。
「カードを一枚伏せて、ターン終了だよ!」
「……俺のターン、ドロー」
もはや彼自身の代名詞ともなっていた『楽しんで勝たせてもらうぜ!』との台詞もなく、遊矢はカードを引く。
そんな遊矢にレイは怒りと寂しさを覚えるが、それは後にしてまずは初手に何が来るかを考える。
大体の確率で、攻めの《マックス・ウォリアー》か守備の《ガントレット・ウォリアー》のため、自然とそのどちらかと考えたが……
「……俺はフィールド魔法《天空の聖域》を発動」
レイと剣山、双方の予想を大幅に上回りながら夜のアカデミアを浸食していく、天使たちが住むう天上の聖域。
レイが知る限り遊矢が自分本来のデッキでフィールド魔法を使ったことはなく、また、彼のデッキの【機械戦士】に天使族サポートカードなど必要ない。
「遊矢先輩のデッキ、【機械戦士】じゃないザウルス……!?」
その評価から【機械戦士】を好んで使う者はおらず、半ば遊矢の専用デッキという扱いも同然となっていたレイと剣山にとって、これは想定外の出来事であった。
特にレイは、【機械戦士】は彼にとって、デュエルモンスターズというゲームに触れてから今までずっと使ってきた相棒であることを知っていて、なおさら。
「……《コーリング・ノヴァ》を召喚」
コーリング・ノヴァ
ATK1400
DEF800
《シャ
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