46:救ってみせろよ
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伏せる。そして、
「だったら救ってみせろよっ!!」
彼の胸元で叫んだ。
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「お前ら人間に裏切られて!! ルビーを亡くしてっ……ベリーまで失った!! たくさんの人々を襲って、そして終いには……ずっと傍でボクを養ってくれたっ……マーブルまで傷つけたっ!! ――こ、こんなっ……」
涙が頬を伝い、雫となってぽたぽたと零れていく。
「こんなにも終わってしまったボクをッ……――救えるもんなら救ってみせろよっ!!!!」
「……………」
そう叫ばれたキリトは黙り……そんな彼の頭に、ぽむ、と手を置いた。
そして……
「 右を見てみろ 」
……とだけ、言った。
「…………え?」
ユミルはその言葉通りに、首を右に回した。わたし達もその方向を見る。
するとそこには…………何の変哲も無い、森と草むらがあるだけだった。
しかし、確かこの方向の先は……ベリーが散った場所だ。今では隠れて見えないが、恐らく奥ではレアアイテムの山が築かれているであろうその方向だった。しかし、傍から見ればそれはただの森の風景の一部となんら変わりは無かった。
何もないじゃない……と言おうとする直前、
――カサリ。
と、草むらの葉が揺れた。
その奥から出てきたのは……
「…………なんで……」
それを見たユミルは、信じられない風に小さくつぶやいていた。
「――ベ……リー……?」
その言葉の通り。その身を散らせて死んだと思っていたベリー、ミストユニコーンが……草むらから姿を現していた。
HPは半分以上を削られ、さらにユミルと同じく蛇矛によるダメージ毒に侵され、極めて緩やかだがさらにダメージを負いながらも。
四本だった足は切り落とされて三本になり、そのせいでよたよたと危なげな闊歩ながらも。
それでも、たしかに生きて、わたし達の方へ……恐らくは主人であるユミルの元へと、ゆっくりと一歩ずつ歩を進めていた。
「ベリーが生きていたのは、本当に幸運だった」
わたし達が揃って驚いている中、落ち着いた声を出したのはキリトだった。
「デイド達の武器の取調べをした時を覚えてるか? ……デイドの持つ蛇矛はリーチに優れ、突き攻撃にダメージボーナスが付き、さらに毒の威力と効果を増幅させるメリットを持った両手槍だったが……『元の攻撃力はかなり低く、さらに突き以外のアクションでの攻撃にはダメージのマイナス効果がある』というデメリットがある武器だった、ということをな」
「あっ……」
わたしは思わず声をあげる。
ベリーがデイドの不意打ちを受けた時。その時の攻撃は……ベリーを空へと打ち上げた『
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