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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜絶望と悲哀の小夜曲〜
死への恐怖
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がどこか、懐かしく思えるのはなぜでしょうか?」
「さあねぇ。でも、これで最後だと思いたい───」
「ん?レン……?どうしたの?」
げっ、と互いに顔を見合わせるレンとカグラ。
完璧に寝てると思っていた。
目を擦りながら現れたマイは、いまだ覚醒には至らずという感じでゆっくりと部屋の中を見渡す。その服装は、例のごとく《兎轉舎》女主人、イヨから貰い受けた白猫パジャマだ。
「レン……、なにしてるの?」
「……ぁ、いや。マイ………これはですね…その――」
しどろもどろに何か言い訳を言おうとしたカグラをレンは手で制す。
「マイちゃん、ちょっと僕は出かけてくるよ」
「帰ってくる?」
きょとんとした顔で問いかけてくるマイ。だが、レンは感じていた。
これは真剣なものだと。
だから、レンは笑顔で大きく頷いた。
「うん、絶対帰ってくる。心配しないで」
そう言うと、マイはにぱっと笑った。
「うん、分かった、いってらっしゃい」
そう言ってレンはドアノブに手をかける。
晩秋の朝の空気に冷やされたそれは、如実にあることを告げていた。これを捻れば、引き返すことができないことを。ほのぼのした日常と別れなければならないことを。
───何をバカなことを。
レンは一人、首を振るう。
戻る、そう心の中で確かに思う。
その強力ボスとやらを速攻で退治して、この温かい日常に戻ってくる。
絶対に、絶対に。
───だが。
小さな小骨のようなものが、ノドにちりちりと引っ掛かる。ヒースクリフからのメッセージによると、もうすでに何人もの死者が出ているような雰囲気だった。
そんなのと戦って、果たして無事に帰ってこられるのだろうか。
脳裏にポツリと浮かんだその思考が、暗雲のように広がっていく。やがて、否応なく一つの単語が浮かび上がる。
死ぬんじゃないだろうか、と。
万に一つもない。というか、そもそもそんなことは絶対にしない。
『ダレノタメニ?』
脳裏で金属質のエフェクトを帯びた声が、陰々と響く。
それを聞き、レンはこっそりと自らの背後を振り返る。そこには、こちらをきょとんとした金銀の瞳でこちらに視線を向けてくる長い純白の髪を持つ少女がいた。
そして、その傍らには艶やかな黒髪を後ろで束ねた背の高い女性も。
その二人をゆっくりと見て、レンはその声に返す。
───このヒト達を、護るために。
するとすぐさま声が返ってくる。
『ナンノタメニ?』
───理由?そんなの………
レンは少女の視線を、正面から受け止める。
───そんなもの………
そして、レンは口を開く。
「いってきます、マイ
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